目次
記事の要約
- YesWiki 4.5.4未満のバージョンのコメント機能に脆弱性CVE-2025-46346が発見された
- 保存型クロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性により、悪意のあるJavaScriptコードが実行される可能性がある
- 4.5.4以降のバージョンでは修正済みである
YesWikiのセキュリティ脆弱性に関する情報公開
GitHubは2025年4月29日、PHPで記述されたWikiシステムYesWikiにおけるセキュリティ脆弱性に関する情報を公開した。この脆弱性は、YesWikiのコメント機能に存在する保存型クロスサイトスクリプティング(XSS)であることが判明している。
この脆弱性により、攻撃者は悪意のあるJavaScriptコードをコメント欄に挿入し、それを閲覧したユーザーのブラウザ上で実行させることが可能となる。YesWikiは“タグの実行をブロックする対策を講じていたものの、JavaScriptのブロックコメント`/* JavaScriptPayload */`を使用したコードは検知できなかったのだ。
この脆弱性は、YesWikiバージョン4.5.4で修正されている。そのため、YesWikiを利用しているユーザーは、速やかにバージョン4.5.4以降にアップデートすることを強く推奨する。
脆弱性詳細と対応策
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-46346 |
脆弱性種別 | 保存型クロスサイトスクリプティング(XSS) |
影響を受けるバージョン | 4.5.4未満 |
修正済みバージョン | 4.5.4 |
公開日 | 2025-04-29 |
CWE | CWE-79 |
CVSSスコア | 6.3 (MEDIUM) |
ベンダ | YesWiki |
参考情報 | GitHubセキュリティアドバイザリ |
クロスサイトスクリプティング(XSS)について
クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、Webアプリケーションの脆弱性を悪用して、攻撃者が悪意のあるスクリプトをユーザーのブラウザに実行させる攻撃手法である。この攻撃は、ユーザーの個人情報やセッション情報を盗む、Webサイトを改ざんするなど、様々な悪用が可能だ。
- ユーザー入力の適切なサニタイズ
- 出力エンコーディングの徹底
- 最新のセキュリティパッチ適用
XSS攻撃を防ぐためには、ユーザーからの入力データに対して適切なサニタイズ処理を行うこと、出力データに対して適切なエンコーディングを行うこと、そして、常にソフトウェアを最新の状態に保つことが重要だ。
YesWiki脆弱性に関する考察
YesWikiにおける今回の脆弱性対応は、迅速な情報公開と修正パッチの提供という点で評価できる。早期発見と対応によって、被害の拡大を防ぐことができたと言えるだろう。しかし、依然として多くのWebアプリケーションがXSS脆弱性に悩まされている現状を鑑みると、開発者によるセキュリティ意識の更なる向上が必要だ。
今後、同様の脆弱性が他のWebアプリケーションでも発見される可能性は高い。そのため、開発者はセキュリティに関するベストプラクティスを理解し、適切な対策を講じる必要がある。定期的なセキュリティ監査の実施や、セキュリティ専門家によるアドバイスを受けることも有効な手段となるだろう。
さらに、ユーザー側もセキュリティ意識を高め、怪しいWebサイトへのアクセスを避けたり、テクノロジーのアップデートを怠らないようにする必要がある。セキュリティは開発者とユーザー双方による継続的な努力によって実現されるものなのだ。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-46346」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-46346, (参照 2025-05-15).