サイバーリンク、COMPUTEX 2025でPowerDirectorとPromeoのAI機能強化を発表

記事の要約

  • サイバーリンクがCOMPUTEX 2025でAIソフトウェアを発表
  • PowerDirectorのAI機能強化とPromeoの新機能追加
  • Intel Core Ultraプロセッサを活用したエッジAI技術を実証

サイバーリンク、COMPUTEX 2025でAIソフトウェアを発表

サイバーリンクは2025年5月14日、COMPUTEX 2025においてIntel® Core Ultraプロセッサを活用した最新のAI搭載ソフトウェアを発表すると発表した。発表内容は、主力ビデオ編集ソフト「PowerDirector」のAI機能強化と、オンライン販売・マーケティング向けAIクリエイティブスタジオ「Promeo」の新機能アップデートだ。

PowerDirectorには、高精度なオブジェクトセグメンテーションとモーショントラッキング機能が追加され、オンデバイスでリアルタイム処理が可能になった。これにより、AIエフェクトマスクやAIモーショントラッキングなどの作業が容易になり、効率的な編集ワークフローを実現するのだ。

Promeoには、「AI Marketing Advisor」という新機能が追加された。これは、オンデバイスで動作する画像理解エンジンと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせたハイブリッドAIエンジンで、消費者行動や業界トレンドに即したマーケティング文案を自動生成する。経験豊富なマーケターから初心者まで、誰でも簡単にキャンペーンを立ち上げられるよう支援するのだ。

Intelとの継続的な協力を通じて、エッジAIの進化を推進している。高コストなクラウド処理への依存を排することで、スムーズな編集体験、強固なデータセキュリティ、そして優れたパフォーマンスを、すべてオンデバイスで実現するのだ。

COMPUTEX 2025発表内容

ソフトウェア新機能特徴
PowerDirectorAIオブジェクト追跡エフェクト高精度なオブジェクトセグメンテーションとモーショントラッキング、オンデバイスリアルタイム処理
PromeoAI Marketing Advisor画像理解エンジンとLLMによるマーケティング文案自動生成、キャンペーン立ち上げ支援
サイバーリンク公式サイト

エッジAIについて

エッジAIとは、データ処理をクラウドではなく、デバイスの端(エッジ)で行う技術だ。これにより、データ転送の遅延やセキュリティリスクを軽減し、リアルタイム処理が可能になる。

  • データセキュリティの向上
  • リアルタイム処理の高速化
  • クラウド依存からの脱却

サイバーリンクは、Intel Core UltraプロセッサとOpenVINOツールキットを活用することで、PowerDirectorとPromeoにおいてエッジAI技術を実証した。これにより、高性能かつ安全なAI機能をユーザーに提供できるのだ。

PowerDirectorとPromeoに関する考察

PowerDirectorとPromeoのAI機能強化は、動画編集やマーケティング業務の効率化に大きく貢献するだろう。特に、高精度なオブジェクト追跡や自動文案生成は、ユーザーの作業負担を軽減し、クリエイティブな表現の可能性を広げる。しかし、AIモデルの学習データの偏りによるバイアスや、AIによる誤認識の可能性も考慮する必要があるだろう。

AIモデルの精度向上や、ユーザーによるカスタマイズ性の向上は、今後の課題となる。また、AI Marketing Advisorは現状英語のみの対応だが、多言語対応が求められるだろう。これらの問題への対応策として、継続的なモデルの学習データの改善、ユーザーフィードバックの積極的な活用、多言語対応の開発などが考えられる。

今後、PowerDirectorにはより高度なAI編集機能、例えば自動編集機能や、より多様なエフェクトの追加が期待される。Promeoには、より詳細な市場分析機能や、デザイン作成機能の強化、そして多言語対応が求められるだろう。これらの新機能によって、ユーザーはより高度なクリエイティブな作業を効率的に行えるようになるだろう。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「サイバーリンク、COMPUTEX 2025 で最先端 AI ソフトウェアを披露 | サイバーリンク株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000313.000005271.html, (参照 2025-05-15).

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