
目次
記事の要約
- 三幸エステートと筑波大学が共同でオフィス市場調査結果を更新公開
- 東京都心5区のオフィスビル445棟を対象に現代的アメニティの普及率を調査
- 現代的アメニティの有無が賃料と空室率に及ぼす影響を分析
2025年オフィス市場動向:アメニティの普及率と経済効果
三幸エステート株式会社は2025年5月14日、筑波大学不動産・空間計量研究室との共同調査によるオフィス市場の動向に関するレポートを更新し、公開した。このレポートは2024年8月公表のレポートを更新したもので、2024年末までの現代的なアメニティに関する調査結果を盛り込んでいるのだ。
調査対象は東京都心5区に立地する、1フロア面積200坪以上、延床面積3,000坪以上の標準的なオフィスビル445棟である。2024年12月末時点での現代的なアメニティ(ラウンジ、屋上テラス、託児所、フィットネスなど)の有無を調査し、その普及率や経済効果について分析を行ったのだ。
調査の結果、現代的なアメニティを備えるビルは445棟中111棟(24.9%)だったことが判明した。竣工年代別に見ると、2020年以降の竣工ビルでは48.4%と普及率が高く、築年数の経過したビルでもリニューアル等による現代化が進んでいることが示されたのだ。
調査概要と結果
項目 | 詳細 |
---|---|
調査対象 | 東京都心5区のオフィスビル445棟 |
調査期間 | 2024年12月末時点 |
対象ビル規模 | 1フロア面積200坪以上、延床面積3,000坪以上 |
アメニティ普及率 | 24.9% (111棟) |
2020年以降竣工ビルの普及率 | 48.4% |
賃料への影響 | 現代的アメニティ有ビルは6.5%高い |
空室率への影響 | 現代的アメニティ有ビルは1.7ポイント高い |
現代的アメニティ
現代的アメニティとは、従業員のエンゲージメント向上や採用戦略の一環として導入されるオフィス設備を指す。具体的には、快適な執務空間を提供するラウンジや屋上テラス、従業員のワークライフバランスを支援する託児所、健康増進を目的としたフィットネスジムなどが挙げられる。
- 従業員の満足度向上に繋がる
- 企業の競争力強化に貢献する
- 優秀な人材の確保に役立つ
これらのアメニティは、単なる付加価値ではなく、オフィスビルの価値を高め、賃料上昇や空室率低減に貢献する重要な要素となっているのだ。
オフィス市場動向に関する考察
本調査は、現代的なアメニティの普及がオフィス市場に大きな影響を与えていることを示唆している。特に、賃料へのプラス効果は顕著であり、今後もアメニティを充実させる傾向は強まるだろう。しかし、空室率への影響は複雑で、オフィス需要の拡大やビルの稼働状況など、様々な要因が絡み合っているのだ。
今後、アメニティの種類や質、そしてそれらが賃料や空室率に与える影響について、より詳細な分析が必要となるだろう。また、アメニティの導入コストや維持管理コストなども考慮し、費用対効果の高い戦略を立てることが重要となる。さらに、従業員のニーズの変化を常に捉え、時代に合わせたアメニティの提供が求められるだろう。
今回の調査結果を踏まえ、三幸エステートは今後もオフィス市場の動向を継続的に調査し、より精度の高い情報提供を行うことで、企業のオフィス戦略支援に貢献していくことを目指すのだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「アメニティで見るオフィス市場の動向(2025年) | 三幸エステート株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000561.000118399.html, (参照 2025-05-15).