目次
記事の要約
- D-Link DIR-605L 2.13B01のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4441が公開された
- formSetWAN_Wizard534関数のcurTime引数の操作が原因で発生する
- リモートから攻撃が可能で、深刻度が高い脆弱性と評価されている
D-Link DIR-605L バッファオーバーフロー脆弱性に関する情報公開
VulDBは2025年5月8日、D-Link DIR-605Lルーターの脆弱性CVE-2025-4441に関する情報を公開した。この脆弱性は、深刻度が高いバッファオーバーフロー脆弱性と分類されているのだ。
この脆弱性は、DIR-605Lのファームウェアバージョン2.13B01に存在し、formSetWAN_Wizard534関数に影響を与える。curTime引数を操作することでバッファオーバーフローを引き起こし、リモートからの攻撃を可能にするという。
VulDBによると、この脆弱性情報は既にD-Link社に報告されており、現在はサポート対象外の製品にのみ影響するとのことだ。しかし、深刻度が高いことから、該当製品を使用しているユーザーは注意が必要である。
脆弱性詳細と影響範囲
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-4441 |
影響を受ける製品 | D-Link DIR-605L (バージョン2.13B01) |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
影響を受ける関数 | formSetWAN_Wizard534 |
攻撃方法 | リモート攻撃 |
深刻度 | 高 |
CVSSスコア(v4.0) | 8.7 |
CVSSスコア(v3.1) | 8.8 |
CVSSスコア(v3.0) | 8.8 |
CWE | CWE-120, CWE-119 |
報告者 | jylsec (VulDB User) |
バッファオーバーフローについて
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータを書き込むことで発生する脆弱性だ。これは、プログラムの予期せぬ動作やクラッシュ、さらには悪意のあるコードの実行につながる可能性がある。
- メモリ領域の不正なアクセス
- プログラムのクラッシュ
- リモートコード実行
バッファオーバーフローは、適切な入力検証やメモリ管理を行うことで防ぐことができる。開発者は、安全なコーディング規約を遵守し、最新のセキュリティパッチを適用することが重要だ。
CVE-2025-4441に関する考察
D-Link DIR-605Lのバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4441は、リモート攻撃が可能であるため非常に危険だ。迅速な対応が求められるが、対象製品がサポート対象外であるため、D-Link社によるパッチ提供は期待できないだろう。
そのため、ユーザー自身による対策が必要となる。具体的には、ファームウェアのアップデート(もし存在すれば)、製品の交換、または代替製品への移行などを検討する必要がある。この脆弱性を利用した攻撃が発生する可能性も考慮し、セキュリティ対策を強化することが重要だ。
今後、同様の脆弱性が他のD-Link製品や他社製品でも発見される可能性がある。そのため、定期的なセキュリティアップデートや脆弱性情報の確認、そして安全なネットワーク運用が不可欠となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4441」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4441, (参照 2025-05-15).