目次
記事の要約
- D-Link DIR-619L 2.04B04のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4450が公開された
- formSetEasy_Wizard関数のcurTime引数の操作が原因で発生する
- リモート攻撃が可能で、CVSSスコアは8.7と高リスクと評価されている
D-Link DIR-619Lの脆弱性情報公開
VulDBは2025年5月9日、D-Link DIR-619Lルーターの脆弱性情報CVE-2025-4450を公開した。この脆弱性は、深刻度がクリティカルと評価されており、リモート攻撃が可能であることが明らかになっている。
影響を受けるのは、D-Link DIR-619Lバージョン2.04B04であり、formSetEasy_Wizard関数におけるcurTime引数の操作によってバッファオーバーフローが発生する。攻撃者はこの脆弱性を悪用することで、システムの制御を奪う可能性があるのだ。
ベンダーであるD-Link社には、この脆弱性に関する情報開示前に連絡済みである。しかし、この脆弱性影響を受ける製品は既にメーカーによるサポートが終了している点に注意が必要だ。
この脆弱性は、CWE-120(バッファオーバーフロー)とCWE-119(メモリ破損)に分類される。CVSSv4では8.7、CVSSv3.1とCVSSv3.0では8.8の高スコアが付けられている。
脆弱性詳細と影響範囲
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性識別子 | CVE-2025-4450 |
影響を受ける製品 | D-Link DIR-619L バージョン2.04B04 |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
深刻度 | クリティカル |
CVSSv4スコア | 8.7 |
攻撃方法 | リモート |
影響 | システム制御の奪取 |
サポート状況 | サポート終了 |
バッファオーバーフローについて
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータを書き込んでしまう脆弱性のことだ。これは、プログラムがバッファのサイズを適切にチェックせずにデータを書き込む場合に発生する。
- 予期せぬプログラムの動作
- システムクラッシュ
- リモートコード実行
バッファオーバーフローは、攻撃者が悪意のあるコードを実行させる可能性があるため、非常に危険な脆弱性である。適切な対策として、バッファのサイズチェックや入力値の検証を行うことが重要だ。
CVE-2025-4450に関する考察
D-Link DIR-619L 2.04B04のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4450は、既にサポートが終了した製品に影響するものの、リモート攻撃が可能であるため、依然としてリスクが高いと言える。迅速なファームウェアアップデートが理想だが、サポート終了製品であるため、代替製品への移行が現実的な対策となるだろう。
今後、同様の脆弱性が他のD-Link製品や他社製品でも発見される可能性がある。そのため、定期的なセキュリティアップデートや脆弱性情報の確認が重要だ。また、セキュリティ対策製品の導入や、ネットワークのセグメンテーションなども有効な対策となるだろう。
この脆弱性の発見は、IoTデバイスのセキュリティ対策の重要性を改めて示している。メーカーは、サポート終了製品であっても、可能な範囲でセキュリティ対策を行うべきであり、ユーザーは、常に最新のセキュリティ情報を把握し、適切な対策を講じる必要がある。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4450」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4450, (参照 2025-05-15).