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FEAL(Fast data Encipherment ALgorithm)とは
FEAL(Fast data Encipherment ALgorithm)は、高速データ暗号化アルゴリズムとして知られています。1980年代後半に、日本のNTTによって開発された共通鍵暗号方式の一つです。
このアルゴリズムは、当時主流であったDES(Data Encryption Standard)の代替として提案されました。DESよりも高速な処理を目指し、ソフトウェア実装に適した設計がなされています。
しかし、FEALは発表後まもなく、差分解攻撃と呼ばれる暗号解読法に対して脆弱であることが判明しました。そのため、いくつかの改良版が開発されましたが、広く普及するには至りませんでした。
FEALの構造と暗号化プロセス
「FEALの構造と暗号化プロセス」に関して、以下を解説していきます。
- FEALの基本的な構造
- FEALの暗号化プロセス詳細
FEALの基本的な構造
FEALは、Feistel構造と呼ばれる暗号化方式を採用しています。Feistel構造は、暗号化関数を繰り返し適用することで、平文を暗号文に変換する仕組みです。
この構造の主な特徴は、暗号化と復号化の処理がほぼ同じであることです。これにより、実装が容易になり、ハードウェアやソフトウェアでの効率的な処理が期待できます。
要素 | 説明 |
---|---|
ラウンド関数 | Feistel構造の中核 |
鍵スケジュール | ラウンド鍵を生成 |
初期転置 | 初期データの並び替え |
最終転置 | 最終データの並び替え |
FEALの暗号化プロセス詳細
FEALの暗号化プロセスは、まず64ビットの平文を左右32ビットに分割することから始まります。次に、ラウンド関数と呼ばれる処理を複数回(FEAL-8では8回)繰り返します。
各ラウンドでは、ラウンド鍵と呼ばれる鍵が使用され、左右のデータに対して様々な演算が行われます。最後に、左右のデータを結合し、64ビットの暗号文として出力します。
ステップ | 処理内容 |
---|---|
初期分割 | 64ビット平文を分割 |
ラウンド処理 | ラウンド関数を適用 |
鍵適用 | ラウンド鍵を使用 |
最終結合 | 暗号文を生成 |