
DRサイトとは
DRサイトとは、Disaster Recoveryサイトの略であり、災害やシステム障害に備えて、業務を継続できるように準備された代替サイトのことです。本番環境で障害が発生した場合でも、DRサイトに切り替えることによって、事業継続性を確保できます。DRサイトは、企業の重要なシステムやデータを保護するための不可欠な要素です。
DRサイトの構築には、データのバックアップ、システムの複製、ネットワークの冗長化など、さまざまな対策が必要です。これらの対策を講じることで、万が一の事態が発生した場合でも、迅速に業務を復旧させることが可能になります。DRサイトの準備は、企業のリスク管理において非常に重要な位置を占めます。
DRサイトの運用には、定期的なテストとメンテナンスが欠かせません。テストを実施することで、DRサイトが実際に機能するかどうかを確認し、問題点を洗い出すことができます。また、メンテナンスを行うことで、DRサイトの状態を常に最新に保ち、障害発生時の対応をスムーズに行えるようにします。
DRサイトの種類と構築
「DRサイトの種類と構築」に関して、以下を解説していきます。
- DRサイトの種類(コールド・ウォーム・ホット)
- DRサイト構築のポイント(要件定義など)
DRサイトの種類(コールド・ウォーム・ホット)
DRサイトには、コールドサイト、ウォームサイト、ホットサイトの3つの主要な種類が存在し、それぞれ異なる特性とコスト構造を持っています。コールドサイトは、最低限の設備のみを備えたサイトであり、障害発生時にはシステムやデータを別途用意する必要があります。ウォームサイトは、ある程度のシステムやデータが準備されており、比較的短時間で業務を再開できます。
ホットサイトは、本番環境とほぼ同じシステムやデータが常に稼働している状態であり、障害発生時には瞬時に切り替えが可能です。サイトの種類を選択する際には、企業の事業継続要件、許容されるダウンタイム、予算などを考慮する必要があります。適切なDRサイトの種類を選択することで、コスト効率と事業継続性のバランスを取ることが重要です。
種類 | 特徴 | 復旧時間 |
---|---|---|
コールドサイト | 設備のみ準備 | 数日以上 |
ウォームサイト | 一部システム稼働 | 数時間~1日 |
ホットサイト | 完全稼働状態 | 即時 |
コスト | 低コスト | 中コスト |
複雑さ | 低レベル | 中レベル |
DRサイト構築のポイント(要件定義など)
DRサイトの構築を成功させるためには、まず事業継続計画(BCP)に基づいた明確な要件定義が不可欠であり、システムの重要度、目標復旧時間(RTO)、目標復旧時点(RPO)などを明確にする必要があります。次に、本番環境とDRサイト間のデータ同期方法、ネットワーク構成、セキュリティ対策などを詳細に設計することが重要です。構築後には、定期的なテストを実施し、DRサイトが実際に機能するかどうかを確認する必要があります。
DRサイトの構築においては、コストだけでなく、運用管理の容易さや拡張性も考慮することが重要であり、クラウドベースのDRソリューションを活用することで、初期投資を抑えつつ、柔軟なDR環境を構築できます。また、DRサイトの運用体制を整備し、障害発生時の対応手順を明確にしておくことも、事業継続性を確保するために不可欠です。
ポイント | 詳細 | 備考 |
---|---|---|
要件定義 | RTO/RPOを明確化 | BCPに基づく |
データ同期 | 同期方法を決定 | リアルタイム同期も検討 |
ネットワーク | 冗長化構成を設計 | セキュリティ対策も実施 |
定期テスト | 復旧手順を確認 | 年1回以上実施 |