
ADO.NETとは
ADO.NETは、Microsoftが開発したデータアクセス技術です。様々なデータベースと連携し、データの取得や更新を容易にします。開発者は、データベースの種類を意識せずに、共通のインターフェースでデータ操作が可能です。
ADO.NETは、従来のADO(ActiveX Data Objects)を.NET Framework向けに改良したものです。XMLデータとの連携機能も強化されており、より柔軟なデータ処理を実現します。オフラインでのデータ操作もサポートしており、ネットワーク接続が不安定な環境でも利用できます。
ADO.NETを利用することで、開発者はデータベースとの接続、データの取得、更新などの処理を効率的に行うことができます。これにより、アプリケーションの開発期間を短縮し、保守性を向上させることが可能です。また、セキュリティ機能も強化されており、安全なデータアクセスを実現します。
ADO.NETの主要機能
「ADO.NETの主要機能」に関して、以下を解説していきます。
- データプロバイダーの役割
- DataSetとDataTableの活用
データプロバイダーの役割
データプロバイダーは、ADO.NETにおけるデータベースとの接続を担う重要な役割を果たします。データベースの種類に応じて異なるデータプロバイダーを使用することで、統一されたインターフェースでアクセスできます。
データプロバイダーは、Connectionオブジェクト、Commandオブジェクト、DataReaderオブジェクト、DataAdapterオブジェクトを提供します。これらのオブジェクトを利用することで、データベースへの接続、SQLクエリの実行、データの取得、更新などの操作が可能です。
オブジェクト | 役割 | 主な機能 |
---|---|---|
Connection | データベース接続 | 接続文字列設定、接続開始 |
Command | SQL実行 | SQLクエリ設定、実行 |
DataReader | データ読み取り | 高速な順方向読み取り |
DataAdapter | データアダプター | DataSetとのデータ連携 |
DataSetとDataTableの活用
DataSetは、ADO.NETにおけるメモリ上のデータコンテナとして機能し、複数のDataTableを保持できます。DataTableは、データベースのテーブル構造を模倣したもので、行と列で構成されたデータを格納します。
DataSetとDataTableを活用することで、データベースから取得したデータをオフラインで操作できます。データのフィルタリング、ソート、更新などをDataSet上で行い、後でデータベースに反映させることが可能です。XML形式でのデータの読み書きもサポートしています。
要素 | 説明 | 主な用途 |
---|---|---|
DataSet | データコンテナ | 複数のDataTableを保持 |
DataTable | テーブル構造 | 行と列でデータを格納 |
DataRow | 行データ | テーブルの各行を表す |
DataColumn | 列定義 | テーブルの各列を定義 |