
anacronとは
anacronは、cronの代替として、システムが常に起動しているとは限らない環境で、定期的なタスクを実行するために設計されたプログラムです。cronはシステムが起動していることを前提としているため、システムがオフになっている時間帯のタスクは実行されませんが、anacronはシステムの起動時に、指定された期間内に実行されなかったタスクを実行します。
anacronは、主に日次、週次、月次といったタスクの実行を目的としており、ラップトップやデスクトップなど、常に電源が入っているとは限らないシステムに適しています。タスクの実行間隔は日数で指定され、anacronは前回の実行からの経過日数を記録し、指定された日数以上経過していればタスクを実行します。
anacronは、/etc/anacrontabファイルで設定され、実行するジョブ、実行頻度、遅延時間などを指定します。遅延時間は、システムの起動直後にすべてのタスクが同時に実行されるのを防ぐために設けられており、タスクの実行開始時間をずらすことで、システムへの負荷を分散させることが可能です。
anacronの仕組みと設定
「anacronの仕組みと設定」に関して、以下を解説していきます。
- anacronの動作の仕組み
- anacronの設定ファイル
anacronの動作の仕組み
anacronは、指定された期間内に実行されなかったタスクを、システムの起動時にチェックし、必要に応じて実行する仕組みを持っています。タスクの実行後、anacronはタイムスタンプファイルを更新し、次回の実行時に前回の実行からの経過日数を計算するために使用します。
anacronは、cronとは異なり、特定の時間や日付にタスクを実行するのではなく、指定された期間内にタスクが実行されることを保証します。このため、システムがオフラインであった期間があっても、タスクは必ず実行されるため、定期的なメンテナンスやバックアップなどのジョブに適しています。
要素 | 内容 | 補足 |
---|---|---|
ジョブチェック | 起動時確認 | 未実行ジョブを特定 |
タイムスタンプ | 記録更新 | 前回実行日を記録 |
期間保証 | 実行保証 | オフライン期間も考慮 |
対象タスク | 定期メンテ | バックアップ等に最適 |
anacronの設定ファイル
anacronの設定は、通常/etc/anacrontabファイルで行われ、このファイルには、実行するジョブ、実行頻度(日数)、遅延時間(分)、ジョブの識別子、実行するコマンドが記述されます。設定ファイルは、anacronの動作を制御するための重要な要素であり、適切な設定を行うことで、システムの安定稼働に貢献します。
設定ファイル内の各行は、一つのジョブを表し、各フィールドはスペースまたはタブで区切られます。ジョブの識別子は、anacronがジョブの実行状況を追跡するために使用され、遅延時間は、システムの起動直後にすべてのジョブが同時に実行されるのを防ぐために設定されます。
項目 | 内容 | 単位 |
---|---|---|
実行頻度 | ジョブ実行間隔 | 日数 |
遅延時間 | 実行開始遅延 | 分 |
ジョブ識別子 | ジョブ追跡 | 文字列 |
実行コマンド | 実行内容 | シェルコマンド |