
ATX(Advanced Technology eXtended)とは
ATX(Advanced Technology eXtended)は、1995年にインテルが提唱したPCのケース、電源、マザーボードなどの規格です。従来のAT規格を改良し、コンポーネントの配置や電源管理を最適化することで、より効率的な冷却と拡張性を実現しました。ATX規格は、その後のPC業界における標準的なフォームファクタとして広く採用されています。
ATX規格の導入によって、PCの組み立てやアップグレードが容易になり、異なるメーカーのコンポーネント間での互換性が向上しました。また、ATX電源は、スタンバイ時の低消費電力モードをサポートしており、省エネルギーにも貢献しています。ATX規格は、PCの進化において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。
ATX規格は、登場から20年以上が経過した現在でも、基本的な設計思想は変わらず、多くのPCに採用され続けています。しかし、技術の進歩に伴い、Mini-ITXやMicroATXなど、より小型で省電力な派生規格も登場しています。これらの規格は、特定の用途やニーズに合わせてATX規格を補完するものとして、今後も発展していくと考えられます。
ATX規格の主要な特徴
「ATX規格の主要な特徴」に関して、以下を解説していきます。
- ATX規格のマザーボード
- ATX規格の電源
ATX規格のマザーボード
ATX規格のマザーボードは、CPU、メモリ、拡張カードなどの主要コンポーネントを搭載するための基盤です。ATXマザーボードは、コンポーネントの配置やインターフェースの位置が標準化されており、互換性のあるケースや電源ユニットを使用できます。これにより、PCの組み立てやアップグレードが容易になります。
ATXマザーボードのサイズは305mm x 244mmと規定されており、MicroATXやMini-ITXなどの小型規格と比較して、拡張スロットやメモリソケットの数が多いのが特徴です。これにより、高性能なグラフィックカードやサウンドカード、ストレージデバイスなどを複数搭載でき、ゲーミングPCやクリエイティブワークステーションなどのハイエンドな用途に適しています。
項目 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|
サイズ | 305mmx244mm | フルサイズ |
CPUソケット | LGA1700など | Intel/AMD |
メモリスロット | 4~8スロット | DDR5対応 |
拡張スロット | PCIeスロット | 複数搭載可能 |
ATX規格の電源
ATX規格の電源は、PCの各コンポーネントに電力を供給する重要な役割を担っています。ATX電源は、12V、5V、3.3Vなどの異なる電圧を供給し、マザーボードやCPU、グラフィックカードなどの動作を支えます。また、ATX電源は、スタンバイ時の低消費電力モードをサポートしており、省エネルギーにも貢献します。
ATX電源の出力容量は、PCの構成や用途によって異なります。一般的に、高性能なグラフィックカードやCPUを搭載したゲーミングPCでは、より大きな出力容量の電源が必要です。ATX電源には、80PLUS認証という効率規格があり、電源の変換効率が高いほど、発熱が少なく、省エネルギー性能に優れています。電源を選ぶ際は、PCの消費電力と80PLUS認証を考慮することが重要です。