
DOS(Denial of Service)とは
DOS(Denial of Service)とは、ネットワークやシステムに対して過剰な負荷をかけることで、サービスを正常に提供できなくする攻撃のことです。攻撃者は、大量のトラフィックを送り込んだり、脆弱性を悪用したりして、サーバーやネットワーク機器をダウンさせることが目的です。これにより、正規のユーザーがサービスを利用できなくなるため、ビジネスに大きな損害を与える可能性があります。
DOS攻撃は、単一のコンピューターから行われることが特徴です。攻撃者は、自身のコンピューターを使って、標的となるサーバーに大量のデータを送りつけます。この大量のデータによって、サーバーは処理能力を超えてしまい、最終的にはダウンしてしまうのです。DOS攻撃は、比較的単純な手法ですが、その影響は甚大であり、企業や組織にとって深刻な脅威となります。
DOS攻撃を防ぐためには、ネットワークの監視やセキュリティ対策の強化が不可欠です。ファイアウォールや侵入検知システムを導入し、不審なトラフィックを検知して遮断することが重要になります。また、サーバーの処理能力を向上させたり、負荷分散を行うことで、DOS攻撃に対する耐性を高めることも可能です。これらの対策を講じることで、DOS攻撃による被害を最小限に抑えることができます。
DOS攻撃の種類と対策
「DOS攻撃の種類と対策」に関して、以下を解説していきます。
- DOS攻撃の種類
- DOS攻撃への対策
DOS攻撃の種類
DOS攻撃には様々な種類が存在し、それぞれ異なる手法でシステムに負荷をかけます。SYNフラッド攻撃は、TCP接続の確立プロセスを悪用し、大量のSYNパケットを送りつけることでサーバーのリソースを枯渇させます。UDPフラッド攻撃は、大量のUDPパケットを送りつけることでネットワーク帯域を圧迫し、他の通信を妨害します。
さらに、Ping of Death攻撃は、通常よりも大きなサイズのICMPパケットを送りつけることでシステムをクラッシュさせます。これらの攻撃手法は、それぞれ異なる脆弱性を悪用しており、対策もそれぞれ異なります。攻撃者は、これらの手法を組み合わせて攻撃を行うこともあり、より高度な対策が必要となる場合もあります。
攻撃の種類 | 攻撃の説明 | 対策の難易度 |
---|---|---|
SYNフラッド | SYNパケットを大量送信 | 中程度 |
UDPフラッド | UDPパケットを大量送信 | 低い |
Ping of Death | 巨大なICMPパケット送信 | 高い |
HTTPフラッド | HTTPリクエストを大量送信 | 中程度 |
DOS攻撃への対策
DOS攻撃への対策は多岐にわたり、ネットワークの構成やシステムの特性に応じて適切な対策を講じる必要があります。ファイアウォールは、不正なトラフィックを遮断し、ネットワークへの侵入を防ぐための基本的な対策です。侵入検知システム(IDS)は、ネットワークを監視し、不審なアクティビティを検知して管理者に通知します。
また、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)は、Webコンテンツを複数のサーバーに分散させることで、負荷を分散し、DOS攻撃に対する耐性を高めます。レートリミットは、特定のIPアドレスからのリクエスト数を制限することで、攻撃者からの大量のトラフィックを抑制します。これらの対策を組み合わせることで、DOS攻撃による被害を最小限に抑えることが可能です。
対策方法 | 対策の説明 | 導入の難易度 |
---|---|---|
ファイアウォール | SYNパケットを大量送信 | 中程度 |
IDS/IPS | UDPパケットを大量送信 | 中程度 |
CDN | 巨大なICMPパケット送信 | 高い |
レートリミット | HTTPリクエストを大量送信 | 低い |