IDEA(International Data Encryption Algorithm)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

IDEA(International Data Encryption Algorithm)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

IDEA(International Data Encryption Algorithm)とは

IDEA(International Data Encryption Algorithm)は、1991年にスイスの学者によって開発された暗号化アルゴリズムです。ブロック暗号の一種であり、データの機密性を保護するために設計されました。IDEAは、DES(Data Encryption Standard)の代替として期待され、その高いセキュリティ強度から広く利用されるようになりました。

IDEAは、128ビットの鍵長を使用し、64ビットのブロックを暗号化します。比較的単純な構造を持ちながら、高度なセキュリティを提供することが特徴です。IDEAは、特許で保護されていたため、当初は商用利用が制限されていましたが、後に特許が失効し、オープンソースソフトウェアなどでも利用可能になりました。

IDEAは、PGP(Pretty Good Privacy)などの暗号化ソフトウェアや、SSL/TLSなどのセキュリティプロトコルにも採用されています。その安全性と効率性から、長年にわたり信頼性の高い暗号化アルゴリズムとして評価されてきました。現代の暗号技術においては、AES(Advanced Encryption Standard)などの新しいアルゴリズムが主流となっていますが、IDEAは依然として重要な役割を果たしています。

IDEAの仕組み(暗号化と復号化)

「IDEAの仕組み(暗号化と復号化)」に関して、以下を解説していきます。

  • IDEAの暗号化プロセス
  • IDEAの復号化プロセス

IDEAの暗号化プロセス

IDEAの暗号化プロセスは、64ビットの平文ブロックを128ビットの鍵を使用して暗号化する過程です。このプロセスは、8つの同一のラウンドと、それに続く出力変換で構成されています。各ラウンドでは、ビットごとの排他的論理和(XOR)、加算、乗算などの演算を組み合わせて、平文を攪拌し、鍵を適用します。

各ラウンドで使用される鍵は、128ビットのマスター鍵から生成された52個のサブ鍵です。これらのサブ鍵は、マスター鍵をシフトおよび分割することによって生成されます。各ラウンドでは、6つのサブ鍵が使用され、最後の出力変換では4つのサブ鍵が使用されます。この複雑な鍵スケジュールによって、IDEAは高いセキュリティ強度を実現しています。

ステップ処理内容使用演算
初期分割64ビットブロックを4つの16ビットに分割分割処理
ラウンド1~8サブ鍵とXOR、加算、乗算を適用XOR、加算、乗算
出力変換最終ラウンドの結果を変換XOR、加算
結合4つの16ビットブロックを結合結合処理

IDEAの復号化プロセス

IDEAの復号化プロセスは、暗号化されたデータを元の平文に戻すための逆の操作です。暗号化と同様に、復号化も8つのラウンドと出力変換で構成されています。ただし、復号化では、暗号化で使用されたサブ鍵の逆数と逆順を使用します。これにより、暗号化プロセスを正確に逆転させることができます。

復号化の各ラウンドでは、暗号化ラウンドで使用された演算の逆演算が適用されます。例えば、暗号化で乗算が使用された場合、復号化では乗算の逆数を使用します。同様に、加算の逆演算は減算であり、XOR演算はそれ自体が逆演算です。これらの逆演算と逆順のサブ鍵を使用することで、元の平文を正確に復元できます。

ステップ処理内容使用鍵
初期分割64ビットブロックを4つの16ビットに分割分割処理
ラウンド1~8逆サブ鍵と逆演算を適用逆サブ鍵
出力変換最終ラウンドの結果を逆変換逆サブ鍵
結合4つの16ビットブロックを結合結合処理

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