エンコーダとは?意味をわかりやすく簡単に解説

エンコーダとは?意味をわかりやすく簡単に解説

エンコーダとは

エンコーダとは、ある形式のデータや情報を、別の形式に変換する装置やプログラムのことです。デジタルデータをアナログ信号に変換したり、その逆を行ったりする際に用いられます。エンコーダは、様々な分野で利用されており、私たちの身の回りの多くの機器に組み込まれているのです。

エンコーダは、データを効率的に伝送したり、保存したりするために不可欠な技術です。例えば、動画や音楽ファイルを圧縮して、ストレージ容量を節約したり、ネットワークを通じてスムーズに配信したりする際に、エンコーダが活躍します。エンコーダの性能は、データの品質や伝送速度に大きく影響を与えるため、常に技術革新が進められています。

エンコーダには、様々な種類があり、用途に応じて使い分けられています。代表的なものとしては、動画エンコーダ、音声エンコーダ、回転角を検出するロータリーエンコーダなどがあります。それぞれのエンコーダは、特定のデータ形式や信号に対応しており、最適な変換処理を行うように設計されているのです。

エンコーダの種類

「エンコーダの種類」に関して、以下を解説していきます。

  • アブソリュートエンコーダ
  • インクリメンタルエンコーダ

アブソリュートエンコーダ

アブソリュートエンコーダは、回転角度や位置を絶対的な値として出力するエンコーダです。電源投入時や再起動後でも、基準点からの絶対位置を正確に把握できるため、高い信頼性が求められる用途に適しています。アブソリュートエンコーダは、産業用ロボットや工作機械など、精密な位置制御が必要な場面で広く利用されています。

アブソリュートエンコーダは、独自のコードパターンを持つトラックを備えており、そのパターンを読み取ることで絶対位置を検出します。多回転アブソリュートエンコーダは、複数回転にわたる絶対位置を検出できるため、さらに高度な制御が可能です。アブソリュートエンコーダの選択は、システムの精度や信頼性に大きく影響を与えるため、慎重な検討が必要です。

種類特徴用途
シングルターン1回転内の位置検出角度制御
マルチターン複数回転の位置検出ロボットアーム
通信方式SSI、EtherCAT産業用ネットワーク
分解能10bit、16bit精度に影響

インクリメンタルエンコーダ

インクリメンタルエンコーダは、回転角度や位置の変化をパルス信号として出力するエンコーダです。基準点からの相対的な移動量を検出するため、シンプルで低コストな構成が可能です。インクリメンタルエンコーダは、マウスやプリンターなど、比較的小規模な用途で広く利用されています。

インクリメンタルエンコーダは、A相とB相の2つの信号を出力し、その位相差から回転方向を判別します。Z相と呼ばれる基準信号を出力するものもあり、原点復帰が必要な場合に利用されます。インクリメンタルエンコーダは、高速な応答性と高い分解能を実現できるため、様々な産業分野で活用されています。

種類特徴用途
出力信号A相、B相、Z相回転方向検出
分解能パルス数/回転精度に影響
応答周波数高速応答リアルタイム制御
保護等級IP65、IP67環境への耐性