ゴーイングコンサーンとは？意味をわかりやすく簡単に解説

ゴーイングコンサーンとは

ゴーイングコンサーンとは、企業会計において、企業が将来にわたって事業を継続していくことを前提とする考え方です。つまり、企業が近い将来に解散したり、事業を清算したりする予定はなく、通常どおり事業活動を続けていくという前提で財務諸表を作成します。この前提があるからこそ、資産や負債を現在の価値で評価し、収益と費用を適切に期間配分することが可能になるのです。

ゴーイングコンサーンの前提は、企業の財務諸表の信頼性を支える根幹であり、投資家や債権者などの利害関係者が企業の財政状態や経営成績を判断する上で不可欠な情報基盤となります。もしゴーイングコンサーンの前提が成り立たない場合、企業の資産を清算価値で評価したり、将来の費用を前倒しで計上したりする必要が生じ、財務諸表の解釈が大きく変わる可能性があります。そのため、経営者はゴーイングコンサーンの前提を維持するために、常に健全な経営を心がける必要があります。

ゴーイングコンサーンの前提に疑義が生じた場合、企業は財務諸表にその旨を注記しなければなりません。この注記は、企業の継続的な事業活動に重要な不確実性が存在することを示すものであり、投資家や債権者に対して、より慎重な判断を促す役割を果たします。ゴーイングコンサーンに関する注記は、企業の信用力に大きな影響を与える可能性があるため、経営者は注記を回避するために、経営改善計画の策定や資金調達など、あらゆる対策を講じる必要があります。

ゴーイングコンサーンに関する監査

「ゴーイングコンサーンに関する監査」に関して、以下を解説していきます。

• ゴーイングコンサーン監査の目的
• 監査における評価のポイント

ゴーイングコンサーン監査の目的

ゴーイングコンサーン監査の主な目的は、企業が継続企業としての前提に重要な疑義を生じさせるような事象や状況が存在するかどうかを評価することです。監査人は、経営者が作成した将来の事業計画や資金繰り計画などを検証し、企業の存続可能性について合理的な保証を得るために必要な監査手続きを実施します。

監査人は、企業の財務状況、経営成績、キャッシュフロー、経営者の事業計画などを総合的に検討し、ゴーイングコンサーンの前提に重要な疑義があるかどうかを判断します。もし重要な疑義があると判断された場合、監査人は監査報告書にその旨を記載し、財務諸表の利用者に注意を喚起することが求められます。

監査における評価のポイント

監査における評価のポイントは、企業の財務的な健全性、事業の収益性、資金繰りの安定性、そして経営者の事業計画の合理性などを総合的に判断することです。特に、将来のキャッシュフロー予測の妥当性や、経営改善計画の実行可能性などが重要な評価対象となります。

監査人は、過去の財務データだけでなく、将来の事業環境の変化や市場動向なども考慮に入れ、企業の継続的な事業活動を支える要因とリスクを慎重に評価します。また、経営者とのコミュニケーションを通じて、企業の現状や将来の見通しについて理解を深め、客観的な視点からゴーイングコンサーンの前提を検証します。