
サーブレットとは
サーブレットとはJavaの技術であり、Webサーバー上で動作するプログラムのことを指します。Webブラウザからのリクエストに応じて動的なWebコンテンツを生成し、応答を返す役割を担います。サーブレットは、Webアプリケーション開発において重要な要素技術の一つです。
サーブレットは、従来のCGI(Common Gateway Interface)に比べて、パフォーマンス面で優れています。CGIはリクエストごとに新しいプロセスを生成しますが、サーブレットはWebサーバー内でスレッドとして動作するため、オーバーヘッドが少ないです。そのため、より多くのリクエストを効率的に処理できます。
サーブレットを使用することで、開発者はWebアプリケーションのビジネスロジックをJavaで記述できます。Javaの豊富なライブラリやフレームワークを活用できるため、高度なWebアプリケーションを効率的に開発可能です。また、サーブレットはプラットフォームに依存しないため、様々な環境で動作させることができます。
サーブレットの仕組み
「サーブレットの仕組み」に関して、以下を解説していきます。
- サーブレットのライフサイクル
- サーブレットコンテナの役割
サーブレットのライフサイクル
サーブレットのライフサイクルは、初期化、リクエスト処理、破棄という3つの主要な段階で構成されます。初期化段階では、サーブレットコンテナによってサーブレットのインスタンスが生成され、`init()`メソッドが呼び出されます。このメソッドで、サーブレットが動作するために必要なリソースの準備や設定を行います。
リクエスト処理段階では、Webブラウザからリクエストを受信するたびに、サーブレットコンテナによって`service()`メソッドが呼び出されます。`service()`メソッドは、リクエストの種類(GET、POSTなど)に応じて、`doGet()`や`doPost()`などの適切なメソッドを呼び出し、リクエストを処理します。破棄段階では、サーブレットコンテナによって`destroy()`メソッドが呼び出され、サーブレットが使用していたリソースを解放します。
段階 | メソッド | 処理内容 |
---|---|---|
初期化 | init() | サーブレットの初期設定 |
リクエスト処理 | service() | リクエストの振り分け |
リクエスト処理 | doGet()/doPost() | リクエストの処理 |
破棄 | destroy() | リソースの解放 |
サーブレットコンテナの役割
サーブレットコンテナは、サーブレットの実行環境を提供するソフトウェアです。サーブレットコンテナは、Webサーバーからのリクエストを受け取り、適切なサーブレットに処理を委譲する役割を担います。また、サーブレットのライフサイクルを管理し、リクエストとレスポンスの送受信、セッション管理、セキュリティなどの機能を提供します。
サーブレットコンテナは、サーブレットとWebサーバーの間を取り持つことで、開発者がビジネスロジックの開発に集中できるようにします。サーブレットコンテナは、TomcatやJettyなどが代表的です。これらのコンテナは、Java EE(Jakarta EE)の仕様に準拠しており、様々なWebアプリケーションを動作させることができます。
役割 | 詳細 | 例 |
---|---|---|
リクエスト処理 | HTTPリクエストの受信と解析 | GET/POSTリクエストの処理 |
サーブレット管理 | ライフサイクルの管理 | init/service/destroy |
セッション管理 | ユーザーセッションの維持 | セッションIDの発行 |
セキュリティ | 認証と認可 | ユーザー認証の実行 |