シリアル通信とは?意味をわかりやすく簡単に解説

シリアル通信とは?意味をわかりやすく簡単に解説

シリアル通信とは

シリアル通信とは、データを1ビットずつ順番に伝送する通信方式のことです。パラレル通信のように複数のビットを同時に送るのではなく、1本の伝送路を使用して時間をずらしてデータを送受信します。この方式は、長距離伝送や少ない配線で済むため、様々な用途で利用されています。

シリアル通信は、コンピューターと周辺機器、あるいは機器同士のデータ交換において広く利用されています。例えば、マウスやキーボードなどの入力デバイス、プリンターやモデムなどの出力デバイスとの通信に用いられています。また、組み込みシステムや産業用機器など、様々な分野で重要な役割を果たしています。

シリアル通信には、同期式と非同期式の2つの主要な方式があります。同期式通信では、送信側と受信側が共通のクロック信号を使用してタイミングを合わせます。一方、非同期式通信では、スタートビットとストップビットを使用してデータの区切りを認識します。それぞれの方式には、メリットとデメリットがあり、用途に応じて使い分けられます。

シリアル通信の種類と方式

「シリアル通信の種類と方式」に関して、以下を解説していきます。

  • シリアル通信の種類(同期式と非同期式)
  • シリアル通信の通信方式(半二重と全二重)

シリアル通信の種類(同期式と非同期式)

同期式シリアル通信は、送信側と受信側が正確なタイミングでデータの送受信を行う方式です。クロック信号を共有することで、データの開始と終了を正確に把握し、効率的なデータ伝送を実現します。高速なデータ伝送に適していますが、クロック信号の同期が必要となるため、複雑なシステム構成になる場合があります。

非同期式シリアル通信は、クロック信号を共有せずにデータの送受信を行う方式です。スタートビットとストップビットを使用してデータの開始と終了を識別します。比較的シンプルな構成で実現できるため、低速なデータ伝送に適しています。しかし、同期式に比べてデータ伝送効率は劣ります。

種類同期方式非同期方式
特徴クロック同期同期不要
速度高速通信低速通信
構成複雑な構成単純な構成
用途高速データ伝送低速データ伝送

シリアル通信の通信方式(半二重と全二重)

半二重通信は、双方向通信が可能ですが、同時に送受信はできない通信方式です。送信と受信を切り替えることで、双方向のデータ伝送を実現します。無線通信やトランシーバーなどで利用されています。構造が比較的単純であるため、コストを抑えることができますが、同時通信ができないため、通信効率は全二重通信に劣ります。

全二重通信は、同時に双方向のデータ送受信が可能な通信方式です。送信と受信に別々のチャネルを使用することで、効率的なデータ伝送を実現します。LAN(ローカルエリアネットワーク)や電話回線などで利用されています。半二重通信に比べて高速なデータ伝送が可能ですが、より複雑なシステム構成が必要となります。

方式半二重通信全二重通信
通信双方向だが同時不可双方向かつ同時可能
チャネル共有チャネル個別チャネル
速度比較的低速高速
構成単純な構成複雑な構成