CORBA(Common Object Request Broker Architecture)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

CORBA(Common Object Request Broker Architecture)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

CORBA(Common Object Request Broker Architecture)とは

CORBA(Common Object Request Broker Architecture)は、異なるプログラミング言語やプラットフォームで動作するソフトウェアコンポーネントが、ネットワークを介して互いに通信できるようにするための標準規格です。オブジェクト指向の概念に基づいており、分散コンピューティング環境における相互運用性を実現するために設計されました。

CORBAは、オブジェクトリクエストブローカー(ORB)と呼ばれるミドルウェアを介して、クライアントとサーバー間の通信を仲介します。クライアントは、サーバーオブジェクトのインターフェースを知っているだけで、その実装の詳細を知る必要はありません。これにより、システムの柔軟性と保守性が向上します。

CORBAは、OMG(Object Management Group)によって標準化されており、多くのベンダーがCORBA準拠の製品を提供しています。エンタープライズアプリケーション、金融システム、通信システムなど、さまざまな分野で利用されてきましたが、近年ではより軽量なWebサービスやマイクロサービスアーキテクチャに移行する傾向が見られます。

CORBAの主要な概念

「CORBAの主要な概念」に関して、以下を解説していきます。

  • IDL(Interface Definition Language)
  • ORB(Object Request Broker)

IDL(Interface Definition Language)

IDL(Interface Definition Language)は、CORBA環境において、オブジェクトのインターフェースを定義するための言語です。IDLを使用することで、異なるプログラミング言語で実装されたオブジェクト間でも、共通のインターフェースを通じて通信できます。

IDLで定義されたインターフェースは、コンパイラによって各プログラミング言語のスタブとスケルトンに変換されます。これにより、クライアントはサーバーオブジェクトを呼び出すためのコードを、サーバーはクライアントからのリクエストを処理するためのコードを自動的に生成できます。

要素説明役割
インターフェース操作の集合オブジェクト定義
属性オブジェクトの状態データ表現
操作実行可能な処理機能提供
例外エラー処理異常通知

ORB(Object Request Broker)

ORB(Object Request Broker)は、CORBAアーキテクチャの中核となるミドルウェアコンポーネントです。ORBは、クライアントからのリクエストを適切なサーバーオブジェクトに転送し、サーバーからのレスポンスをクライアントに返します。

ORBは、オブジェクトの場所、活性化、および通信の詳細を管理します。クライアントとサーバーは、ORBを介して間接的に通信するため、互いの実装の詳細を知る必要はありません。これにより、分散環境におけるオブジェクト間の透過的な通信が実現します。

機能説明重要性
位置透過性場所を意識させない分散処理
活性化必要に応じ起動資源管理
通信処理データ送受信相互運用
セキュリティ認証認可情報保護

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