残業手当とは?意味をわかりやすく簡単に解説

残業手当とは?意味をわかりやすく簡単に解説

残業手当とは

残業手当とは、労働基準法で定められた労働時間を超えて労働者に働いてもらった場合に、会社が支払う必要がある割増賃金のことです。残業手当は、通常の労働時間に対する賃金に一定の割増率を乗じて計算され、その割増率は時間外労働、休日労働、深夜労働の種類によって異なります。

残業手当の支払いは、労働者の権利であり、会社は正当な理由なく残業手当の支払いを拒否することはできません。未払い残業手当が発生した場合、労働者は会社に対してその支払いを請求することができ、請求権は2020年4月1日以降に発生した賃金については3年、それ以前に発生した賃金については2年で時効となります。

残業手当の計算方法や支払いに関するルールは複雑であるため、会社と労働者の間でトラブルが発生することも少なくありません。労働時間や残業手当に関する正確な知識を持つことは、労働者にとって自身の権利を守る上で非常に重要であり、会社にとっても法令遵守の観点から不可欠です。

残業手当の種類と計算

「残業手当の種類と計算」に関して、以下を解説していきます。

  • 残業の種類と割増率
  • 残業手当の計算例

残業の種類と割増率

残業手当は、時間外労働、休日労働、深夜労働の3種類に分類され、それぞれ割増率が異なります。時間外労働は、1日8時間または週40時間を超える労働を指し、原則として25%以上の割増率が適用され、休日労働は、法定休日に労働させた場合に適用され、35%以上の割増率が必要です。

深夜労働は、午後10時から午前5時までの間の労働を指し、25%以上の割増率が適用されますが、時間外労働と深夜労働が重なった場合は、それぞれの割増率が合算されます。これらの割増率は、労働基準法によって定められており、会社はこれらの規定を遵守して残業手当を支払う義務があります。

残業の種類割増率詳細
時間外労働25%以上1日8時間または週40時間を超える労働
休日労働35%以上法定休日の労働
深夜労働25%以上午後10時から午前5時までの労働
時間外深夜労働50%以上時間外労働かつ深夜労働

残業手当の計算例

残業手当の計算は、まず1時間あたりの基礎賃金を算出し、それに残業時間と割増率を乗じることで行います。例えば、月給30万円の労働者の場合、1時間あたりの基礎賃金は、月給を月平均所定労働時間で割って計算し、その上で、時間外労働、休日労働、深夜労働それぞれの時間数を把握する必要があります。

具体的な計算例として、1時間あたりの基礎賃金が2000円の労働者が、時間外労働を10時間、深夜労働を5時間行った場合を考えてみましょう。時間外労働手当は2000円×1.25×10時間=25000円、深夜労働手当は2000円×0.25×5時間=2500円となり、合計27500円が残業手当として支払われることになります。

項目計算式金額
月給30万円300000円
月平均所定労働時間160時間160時間
1時間あたり基礎賃金300000円÷160時間1875円
時間外労働手当1875円×1.25×10時間23438円

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