
正規化とは
正規化とは、データベース設計においてデータの重複を排除し、整合性を保つためのプロセスです。正規化を行うことによって、データの冗長性を減らし、更新時の矛盾を防ぐことが可能になります。データベースの効率的な運用と管理を実現するために、正規化は不可欠な概念と言えるでしょう。
正規化は、複数の正規形と呼ばれる段階を経て進められます。各正規形は、特定の条件を満たすことで、より高いレベルのデータ整合性を実現します。一般的には、第一正規形から第三正規形までを適用することが多いですが、より厳密な正規化が必要な場合には、ボイスコッド正規形や第四正規形などが用いられることもあります。
正規化を適切に行うことで、データベースのパフォーマンス向上や保守性の向上にもつながります。データの整合性が保たれることで、アプリケーションの信頼性も高まります。正規化は、データベース設計の基礎であり、システム開発における重要な要素の一つです。
正規化の種類
「正規化の種類」に関して、以下を解説していきます。
- 第一正規形(1NF)
- 第二正規形(2NF)
第一正規形(1NF)
第一正規形とは、データベースの正規化における最初の段階であり、テーブル内の各セルに格納される値が原子的なものである状態を指します。つまり、一つのセルに複数の値が含まれていたり、繰り返し項目が存在したりする状態を解消することが求められます。
第一正規形を満たすことで、データの検索や更新が容易になり、データベースの整合性を高めることができます。例えば、趣味の項目で複数の趣味を一つのセルに記述するのではなく、趣味ごとにレコードを分けることで、第一正規形を満たすことが可能です。
正規形の段階 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
未正規形 | 繰り返し項目 | 趣味欄に複数 |
第一正規形 | 繰り返し項目 | 趣味欄に複数 |
メリット | 検索性向上 | データ管理容易 |
デメリット | テーブル肥大化 | 管理複雑化 |
第二正規形(2NF)
第二正規形は、第一正規形を満たしていることに加えて、主キーの一部にのみ従属する属性(部分関数従属)を排除した状態を指します。これは、複合主キーを持つテーブルにおいて、主キーの一部だけで特定できる情報が存在する場合に問題となります。
第二正規形にすることで、データの冗長性を減らし、更新時の矛盾を防ぐことができます。例えば、注文テーブルにおいて、注文IDと商品IDが複合主キーである場合に、商品名が商品IDのみに依存している場合、商品テーブルを分離することで第二正規形を満たすことが可能です。
正規形の段階 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
第一正規形 | 原子性の確保 | 趣味を分割 |
第二正規形 | 原子性の確保 | 趣味を分割 |
メリット | 検索性向上 | データ管理容易 |
デメリット | テーブル肥大化 | 管理複雑化 |