
CloudWatchとは
CloudWatchは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供する監視およびオブザーバビリティサービスです。AWSリソースやアプリケーションをリアルタイムで監視し、パフォーマンスの変化や異常を検知して、迅速な対応を支援します。CloudWatchを活用することで、システムの可用性向上や運用コスト削減に貢献します。
CloudWatchは、メトリクス、ログ、イベントという3つの主要なデータソースを収集・分析します。これらのデータを統合的に分析することで、システム全体の健全性を把握し、問題発生時の原因特定を迅速化できます。また、CloudWatchは、アラーム機能やダッシュボード機能も提供しており、運用状況の可視化や異常検知時の通知を可能にします。
CloudWatchは、AWS環境だけでなく、オンプレミス環境や他のクラウド環境で動作するアプリケーションも監視できます。エージェントをインストールすることで、CPU使用率やメモリ使用量などのメトリクスを収集し、CloudWatchに送信できます。これにより、ハイブリッドクラウド環境全体を包括的に監視し、一元的な運用管理を実現します。
CloudWatchの主要機能
「CloudWatchの主要機能」に関して、以下を解説していきます。
- CloudWatchメトリクスの活用
- CloudWatch Logsの分析
CloudWatchメトリクスの活用
CloudWatchメトリクスは、CPU使用率、メモリ使用量、ディスクI/Oなどのリソース使用状況を数値データとして収集します。これらのメトリクスを監視することで、リソースのボトルネックやパフォーマンスの低下を早期に発見し、適切な対策を講じることが可能です。メトリクスの推移をグラフで可視化することで、傾向分析や将来予測にも役立ちます。
CloudWatchメトリクスは、AWSサービスから自動的に収集されるだけでなく、カスタムメトリクスとして独自のアプリケーションのパフォーマンス指標を収集することも可能です。例えば、Webアプリケーションのレスポンスタイムや、データベースのクエリ実行時間などをカスタムメトリクスとして定義し、監視できます。これにより、アプリケーション固有の問題を特定し、改善につなげることができます。
メトリクス | 内容 | 活用例 |
---|---|---|
CPU使用率 | CPUの使用状況を示す指標 | 高負荷状態の検出 |
メモリ使用量 | メモリの使用状況を示す指標 | メモリリークの検出 |
ディスクI/O | ディスクへの読み書き量を示す指標 | ディスクボトルネックの検出 |
ネットワークI/O | ネットワークの送受信量を示す指標 | ネットワーク遅延の検出 |
CloudWatch Logsの分析
CloudWatch Logsは、アプリケーションやシステムのログデータを集約し、一元的に管理・分析する機能です。ログデータをリアルタイムで監視し、エラーや警告などの異常パターンを検知することで、問題発生時の迅速な対応を支援します。ログデータに対する検索やフィルタリング機能も提供されており、特定の問題に関する情報を効率的に抽出できます。
CloudWatch Logs Insightsを使用すると、SQLに似たクエリ言語を使用して、ログデータを分析できます。特定のキーワードやパターンを含むログエントリを検索したり、ログデータの集計や統計分析を実行したりできます。これにより、ログデータから有益な情報を抽出し、問題の原因特定や傾向分析に役立てることが可能です。
機能 | 内容 | 活用例 |
---|---|---|
ログ収集 | 様々なソースからログデータを収集 | アプリケーションのデバッグ |
ログ分析 | ログデータから特定パターンを検索 | セキュリティインシデントの検出 |
ログ監視 | リアルタイムでログデータを監視 | システム異常の早期発見 |
ログ保持 | ログデータを長期的に保持 | 監査ログの保管 |