
EMI(Electromagnetic Interference)とは
EMI(Electromagnetic Interference)とは、電子機器から発生する電磁波が、他の電子機器の正常な動作を妨げる現象を指します。電磁妨害波とも呼ばれ、電子機器の誤作動や性能低下を引き起こす可能性があるため、適切な対策が必要です。
EMIは、意図的に発生させた電波(無線通信など)だけでなく、電子回路のスイッチング動作やモーターの回転など、意図しない電磁波によっても発生します。現代社会では、多くの電子機器が近接して使用されているため、EMI対策は非常に重要です。
EMI対策を怠ると、医療機器の誤作動による医療事故や、航空機の制御システムの不具合など、人命に関わる重大な事故につながる可能性もあります。そのため、EMIに関する知識を深め、適切な対策を講じることが不可欠です。
EMIの発生源と対策
「EMIの発生源と対策」に関して、以下を解説していきます。
- EMIの主な発生源
- EMIに対する具体的な対策
EMIの主な発生源
EMIの発生源は多岐にわたりますが、主なものとしては、電子機器内部のスイッチング電源やクロック回路、モーターなどが挙げられます。これらの部品や回路は、動作時に高周波のノイズを発生し、それが電磁波として外部に放射されることがあります。
また、電子機器間の接続ケーブルやプリント基板上の配線も、アンテナとして機能し、ノイズを放射する可能性があります。特に、高速なデジタル信号を伝送するケーブルや配線は、EMIの発生源となりやすいです。
発生源 | 詳細 | 対策 |
---|---|---|
スイッチング電源 | 高周波ノイズを発生 | フィルタ回路の追加 |
クロック回路 | 基本周波数とその高調波 | シールド対策の強化 |
モーター | ブラシのスパークノイズ | ノイズフィルタの設置 |
ケーブル | アンテナとしてノイズ放射 | シールドケーブルの使用 |
EMIに対する具体的な対策
EMIに対する対策は、発生源での抑制、伝搬経路の遮断、感受性の低減という3つのアプローチがあります。発生源での抑制は、ノイズフィルタやシールド材を使用することで、ノイズの発生を最小限に抑える対策です。
伝搬経路の遮断は、シールドルームやシールドケーブルを使用することで、ノイズが他の機器に伝わるのを防ぐ対策です。感受性の低減は、機器自体の耐ノイズ性能を高めることで、ノイズの影響を受けにくくする対策です。
対策 | 詳細 | 効果 |
---|---|---|
フィルタ | 高周波ノイズを発生 | フィルタ回路の追加 |
シールド | 基本周波数とその高調波 | シールド対策の強化 |
接地 | ブラシのスパークノイズ | ノイズフィルタの設置 |
配線 | アンテナとしてノイズ放射 | シールドケーブルの使用 |