パススルーとは？意味をわかりやすく簡単に解説

パススルーとは

パススルーとは、ある情報や処理が、システムや組織内を通過する際に、変更や加工を加えられずにそのまま伝達されることを指します。ITの分野では、データが暗号化や認証などの処理を経由せずに、直接宛先へ送られる状態を指すことが多いです。

金融業界においては、例えば住宅ローン債権を裏付けとした証券化商品において、債務者からの返済金が、そのまま投資家へと分配される仕組みをパススルーと呼びます。この仕組みにより、投資家はローンの返済状況に応じて直接的な収益を得ることが可能です。

ビジネスシーンでは、会議での伝達事項や、上層部からの指示などが、途中で解釈や変更が加えられることなく、担当者へそのまま伝えられる状況を指すことがあります。正確な情報伝達を目的として、パススルーが重視される場面も少なくありません。

パススルー方式の種類

「パススルー方式の種類」に関して、以下を解説していきます。

• 課税におけるパススルー
• ネットワークにおけるパススルー

課税におけるパススルー

課税におけるパススルーとは、事業体の所得が、法人段階では課税されず、最終的な受益者である株主や組合員などの個人に直接課税される仕組みです。この方式は、二重課税を避けるために用いられ、投資家にとって税制上のメリットをもたらす場合があります。

パススルー課税は、主に合同会社やS corporationsなどの特定の事業体で採用されており、事業から生じた利益や損失が、直接個人の所得として扱われる点が特徴です。これにより、事業の収益性が個人の税負担に直接影響を与えることになります。

ネットワークにおけるパススルー

ネットワークにおけるパススルーとは、ネットワーク機器やソフトウェアが、データパケットを検査や変更をせずに、そのまま通過させる方式です。この方式は、ネットワークの遅延を最小限に抑え、高速なデータ転送を実現するために用いられます。

ファイアウォールやルーターなどのネットワーク機器において、特定の条件を満たすトラフィックをパススルーさせる設定を行うことで、セキュリティを確保しつつ、必要な通信をスムーズに行うことができます。ただし、セキュリティリスクを考慮した上で、適切な設定を行う必要があります。