
CentOSとは
CentOS(Community Enterprise Operating System)は、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のソースコードを基に構築された、コミュニティ主導のLinuxディストリビューションです。RHELとの互換性が高く、企業環境での利用を想定した安定性と信頼性が特徴です。
CentOSは無償で利用できるため、開発環境やテスト環境、小規模な本番環境など、幅広い用途で利用されてきました。RHELの商用サポートを受けずに、同等の機能を利用したいユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢でした。
しかし、2020年12月にCentOS Projectは、CentOS Linuxの開発を終了し、CentOS Streamへと移行することを発表しました。これにより、従来のCentOS Linuxは2021年12月31日にサポートが終了し、CentOS 8も2021年末でサポートが終了しました。
CentOSの終了と今後
「CentOSの終了と今後」に関して、以下を解説していきます。
- CentOS Streamへの移行
- 代替OSの選択肢
CentOS Streamへの移行
CentOS Streamは、RHELのアップストリーム(開発版)として位置づけられ、RHELの次期バージョンに組み込まれる予定の機能や修正が先行して導入されます。開発者はCentOS Streamを利用することで、RHELの将来のバージョンを事前にテストし、フィードバックを提供できます。
CentOS Streamは、従来のCentOS Linuxとは異なり、常に最新のパッケージが提供されるため、安定性よりも最新の技術を追求するユーザーに適しています。しかし、本番環境での利用には、十分な検証が必要となるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
位置づけ | RHELアップストリーム |
更新頻度 | 継続的な更新 |
安定性 | 最新技術優先 |
用途 | 開発者向けテスト環境 |
代替OSの選択肢
CentOS Linuxの終了に伴い、多くのユーザーが代替OSへの移行を検討しています。AlmaLinuxやRocky Linuxなど、CentOSの精神を引き継ぐことを目指したコミュニティ主導のディストリビューションが登場しています。これらのOSは、RHELとの互換性を維持しつつ、無償で利用できる点が魅力です。
また、UbuntuやDebianなど、他のLinuxディストリビューションも、CentOSの代替として検討できます。これらのOSは、豊富なパッケージと活発なコミュニティを持ち、幅広い用途に対応できます。移行先のOSを選択する際には、自社の要件やスキルセットを考慮し、最適なものを選ぶことが重要です。
OS | 特徴 |
---|---|
AlmaLinux | RHEL互換、コミュニティ主導 |
Rocky Linux | RHEL互換、コミュニティ主導 |
Ubuntu | 豊富なパッケージ、活発なコミュニティ |
Debian | 安定性重視、幅広い用途 |