
LDAPとは
LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)は、ネットワーク上のディレクトリサービスにアクセスするための通信プロトコルです。ユーザー認証やアクセス制御など、様々なシステムで利用されており、組織内の情報管理において重要な役割を果たします。
LDAPは、クライアントサーバモデルに基づいて動作し、クライアントからの要求に応じて、サーバがディレクトリ情報を検索・提供します。ディレクトリサービスは、ユーザーアカウント、グループ情報、デバイス情報などを一元的に管理するデータベースのようなものです。
LDAPの主な目的は、分散した情報システム間で、ユーザー情報や認証情報を共有し、一貫性のあるセキュリティポリシーを適用することです。これにより、システム管理者は、各システムごとにユーザーアカウントを管理する手間を省き、効率的な運用を実現できます。
LDAPの仕組み
「LDAPの仕組み」に関して、以下を解説していきます。
- LDAPのディレクトリ構造
- LDAPの認証プロセス
LDAPのディレクトリ構造
LDAPのディレクトリ構造は、ツリー構造で表現され、各ノードはエントリと呼ばれます。エントリは、属性と値のペアで構成され、ユーザーやグループなどの情報を格納します。ディレクトリ構造を理解することで、効率的な検索や管理が可能になります。
ディレクトリ構造は、組織の構造や地理的な配置などを反映するように設計されることが一般的です。例えば、組織内の部門や部署ごとに異なるブランチを作成し、それぞれの部門に所属するユーザー情報を格納することができます。
要素 | 説明 | 例 |
---|---|---|
ルート | ディレクトリ構造の頂点 | dc=example,dc=com |
エントリ | ディレクトリ内の各ノード | cn=JohnDoe,ou=Users |
属性 | エントリの特性を表す | cn(共通名) |
値 | 属性に対応する具体的なデータ | JohnDoe |
LDAPの認証プロセス
LDAPの認証プロセスは、クライアントがサーバに対してユーザー名とパスワードを送信し、サーバがディレクトリ内の情報と照合することで行われます。認証に成功すると、クライアントはディレクトリ内の情報にアクセスできるようになります。認証プロセスを理解することで、セキュリティ対策を強化できます。
認証プロセスでは、パスワードが暗号化されて送信されることが一般的であり、セキュリティを確保するためにSSL/TLSなどの暗号化プロトコルが使用されます。また、二要素認証などの多要素認証を導入することで、さらにセキュリティを強化することも可能です。
ステップ | 説明 | 補足 |
---|---|---|
1 接続 | クライアントがサーバに接続 | ポート389を使用 |
2 バインド | 認証情報を送信 | ユーザー名とパスワード |
3 認証 | サーバが情報を照合 | ディレクトリ情報を確認 |
4 アクセス | 認証後、情報にアクセス | 権限に応じてアクセス |