TCP(Transmission Control Protocol)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

TCP(Transmission Control Protocol)とは

TCP(Transmission Control Protocol)は、インターネット上でデータを確実に送受信するための通信規約です。TCPは、データを小さなパケットに分割し、それぞれのパケットに番号を付けて、相手に順番通りに届ける役割を担います。もしパケットが途中で失われたり、順番が入れ替わったりした場合でも、TCPは再送要求や並び替えを行い、正確なデータを相手に届けます。

TCPは、インターネットの基盤となるプロトコルの一つであり、Webブラウジングやメール、ファイル転送など、様々なアプリケーションで利用されています。TCPは、信頼性の高いデータ通信を実現するために、コネクションの確立、データの送受信、コネクションの切断という3つの段階を経て通信を行います。この仕組みによって、アプリケーションはデータの損失や破損を心配することなく、安定した通信を行うことができます。

TCPは、IP(Internet Protocol)と組み合わせて使用されることが多く、TCP/IPと呼ばれます。IPは、データを相手に届けるための住所のような役割を果たし、TCPは、その住所にデータを確実に届ける役割を果たします。TCP/IPは、インターネットの標準的なプロトコルスイートとして広く利用されており、現代のインターネット通信において不可欠な存在です。

TCPの仕組みと重要な要素

「TCPの仕組みと重要な要素」に関して、以下を解説していきます。

• TCPの3ウェイハンドシェイク（コネクション確立）
• TCPの信頼性確保の仕組み（シーケンス番号と確認応答）

TCPの3ウェイハンドシェイク（コネクション確立）

TCP通信を開始する際、クライアントとサーバー間で3ウェイハンドシェイクと呼ばれる手順を踏み、コネクションを確立します。この手順によって、双方が通信の準備ができていることを確認し、データの送受信を開始するための安全な基盤を築きます。3ウェイハンドシェイクは、TCPの信頼性を支える重要な要素の一つです。

まずクライアントは、サーバーに対してSYNパケットを送信し、接続要求を行います。次に、サーバーはSYN-ACKパケットをクライアントに返し、接続要求の応答とサーバー側の接続準備完了を伝えます。最後に、クライアントはACKパケットをサーバーに送信し、コネクションが確立されたことを通知します。この一連の流れを経て、クライアントとサーバーはデータの送受信を開始します。

TCPの信頼性確保の仕組み（シーケンス番号と確認応答）

TCPは、データをパケットに分割して送信する際に、各パケットにシーケンス番号を付与し、受信側は正常に受信したパケットに対して確認応答（ACK）を送信します。この仕組みによって、パケットの紛失や順序の誤りを検出し、必要に応じて再送要求を行うことで、信頼性の高いデータ通信を実現します。シーケンス番号と確認応答は、TCPの信頼性を確保するための重要な仕組みです。

もし送信側が一定時間内に確認応答を受信できなかった場合、そのパケットは紛失したと判断し、再送を行います。また受信側は、シーケンス番号に基づいてパケットの順序を正しく並び替え、重複したパケットを破棄します。これらの機能によって、TCPはデータの完全性と順序性を保証し、アプリケーションはデータの損失や破損を心配することなく、安定した通信を行うことができます。