厚生年金とは?意味をわかりやすく簡単に解説

厚生年金とは?意味をわかりやすく簡単に解説

厚生年金とは

厚生年金とは、会社員や公務員などが加入する公的な年金制度です。国民年金に上乗せして給付が行われるため、老後の所得保障を手厚くする役割があります。加入は法律で義務付けられており、保険料は事業主と従業員が折半して負担します。

厚生年金保険料は、毎月の給与と賞与に一定の保険料率を掛けて計算されます。保険料率は毎年見直され、段階的に引き上げられています。納めた保険料は、将来の年金給付の財源となるだけでなく、障害を負った場合や死亡した場合の保障にも充てられます。

厚生年金に加入することで、老齢年金、障害年金、遺族年金の3種類の年金を受け取ることが可能です。老齢年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、繰り上げ受給や繰り下げ受給も選択できます。障害年金は、病気やケガで障害を負った場合に、遺族年金は、加入者が死亡した場合に遺族に支給されます。

厚生年金の加入と保険料

「厚生年金の加入と保険料」に関して、以下を解説していきます。

  • 厚生年金の加入条件
  • 厚生年金保険料の計算

厚生年金の加入条件

厚生年金保険の加入条件は、適用事業所に常時使用される70歳未満の従業員です。正社員だけでなく、一定の条件を満たすパートタイマーやアルバイトも加入対象となります。具体的には、1週間の所定労働時間が20時間以上、雇用期間が1年以上見込まれる、賃金の月額が8.8万円以上などの条件を満たす必要があります。

ただし、学生や短時間労働者など、一部例外規定も存在します。また、70歳以上になると、厚生年金保険の被保険者資格を喪失しますが、高齢任意加入制度を利用することで、引き続き加入できる場合があります。加入条件は複雑であるため、個々の状況に応じて確認することが重要です。

項目詳細
加入対象者70歳未満の従業員
労働時間週20時間以上
雇用期間1年以上見込み
賃金月額8.8万円以上

厚生年金保険料の計算

厚生年金保険料は、標準報酬月額と標準賞与額に保険料率を掛けて計算されます。標準報酬月額は、毎月の給与を基に決定されるもので、4月から6月の給与の平均額を基に算出されます。標準賞与額は、年3回以下の賞与の額を基に決定され、年間573万円が上限となります。

保険料率は、毎年見直され、段階的に引き上げられています。2024年現在の保険料率は18.3%で、事業主と従業員が折半して負担します。例えば、標準報酬月額が30万円の場合、保険料は54,900円となり、事業主と従業員がそれぞれ27,450円を負担することになります。保険料は給与から天引きされるため、個別に納付する必要はありません。

項目内容
計算基準標準報酬月額
計算基準標準賞与額
保険料率18.3%(2024年)
負担割合事業主と折半