ER図(Entity-Relationship Diagram)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

ER図(Entity-Relationship Diagram)とは

ER図(Entity-Relationship Diagram)は、システム開発におけるデータベース設計で利用される図です。エンティティ（実体）とリレーションシップ（関連）を視覚的に表現し、データ構造を明確化する目的があります。開発者や関係者がデータモデルを共有し、理解を深めるための重要なツールと言えるでしょう。

ER図を作成することで、データベースの構造を設計段階で詳細に検討できます。データの整合性を保ち、冗長性を排除した効率的なデータベースを構築することが可能です。また、要件定義の段階でER図を作成することで、関係者間の認識のずれを防ぎ、手戻りを減らす効果も期待できます。

ER図は、データベース設計の品質向上に不可欠な要素です。適切なER図を作成し活用することで、開発プロジェクト全体の成功に貢献します。データベースの規模が大きくなるほど、ER図の重要性は増すでしょう。

ER図の構成要素

「ER図の構成要素」に関して、以下を解説していきます。

• エンティティと属性
• リレーションシップの種類

エンティティと属性

エンティティは、ER図における基本的な構成要素であり、現実世界のオブジェクトや概念を表現します。例えば、顧客、商品、注文などがエンティティとして扱われ、それぞれが独立した存在として識別可能です。エンティティは通常、長方形で表され、その中にエンティティ名が記述されます。

属性は、エンティティが持つ特性や性質を表し、エンティティを詳細に記述するために使用されます。例えば、顧客エンティティであれば、顧客ID、氏名、住所、電話番号などが属性に該当します。属性は通常、楕円形で表され、エンティティと線で結ばれます。属性には、主キー（エンティティを一意に識別する属性）や外部キー（他のエンティティとの関連を示す属性）などの種類があります。

リレーションシップの種類

リレーションシップは、エンティティ間の関連性を表現し、データ間のつながりを示すために使用されます。リレーションシップには、1対1、1対多、多対多の3つの主要な種類が存在し、それぞれ異なる関連性を表現します。これらのリレーションシップを適切に表現することで、データ構造の複雑さを明確にすることができます。

1対1のリレーションシップは、あるエンティティの1つのインスタンスが、別のエンティティの1つのインスタンスと関連付けられることを意味します。1対多のリレーションシップは、あるエンティティの1つのインスタンスが、別のエンティティの複数のインスタンスと関連付けられることを意味します。多対多のリレーションシップは、あるエンティティの複数のインスタンスが、別のエンティティの複数のインスタンスと関連付けられることを意味します。これらのリレーションシップは、ER図上で線と記号を用いて表現されます。