
ISBN(International Standard Book Number)とは
ISBN(International Standard Book Number)とは、国際標準図書番号のことです。世界中の書籍を特定するために設けられた、固有の識別番号であり、書籍の流通や管理を効率化する上で不可欠な役割を果たします。ISBNは、書籍のタイトル、版、出版社などを特定する情報を含んでおり、書店のPOSシステムや図書館の蔵書管理システムなどで広く利用されています。
ISBNは、書籍の検索、注文、在庫管理などを正確かつ迅速に行うことを可能にします。ISBNがない場合、書籍のタイトルが同じでも、出版社や版が異なる書籍を区別することが難しくなり、誤った書籍の注文や在庫管理の混乱を招く可能性があります。ISBNは、書籍に関する情報を一元的に管理し、関係者間での情報共有を円滑にするための共通言語として機能します。
現在、ISBNは13桁の数字で構成されており、国コード、出版社コード、書名コード、チェックディジットから構成されています。以前は10桁のISBNも使用されていましたが、2007年1月1日以降は13桁のISBNに移行しました。13桁のISBNは、EAN(European Article Number)コード体系に基づいており、書籍をバーコードで識別することも可能です。
ISBNの構成と取得
「ISBNの構成と取得」に関して、以下を解説していきます。
- ISBNの構成要素
- ISBNの取得方法
ISBNの構成要素
ISBNは、接頭記号、グループ記号、出版社記号、書名記号、チェックディジットという5つの要素で構成されています。これらの要素が組み合わさることで、書籍を一意に識別することが可能になり、正確な書籍管理と流通に貢献します。
接頭記号は、ISBNであることを示すための3桁の数字で、通常は「978」または「979」が使用されます。グループ記号は、国や地域を表す記号であり、日本の場合は「4」が割り当てられています。出版社記号は、出版社を特定するための記号であり、出版社ごとに異なる番号が割り当てられます。書名記号は、書籍のタイトルや版を特定するための記号であり、出版社が独自に割り当てます。チェックディジットは、ISBN全体の誤りを検出するための1桁の数字であり、他の数字から計算されます。
構成要素 | 内容 | 役割 |
---|---|---|
接頭記号 | 978/979 | ISBN体系を示す |
グループ記号 | 国/地域コード | 書籍の発行国を示す |
出版社記号 | 出版社識別 | 出版社を特定する |
書名記号 | 書名/版 | 書籍のタイトルを特定 |
チェックディジット | 誤り検出 | ISBNの誤りを検出 |
ISBNの取得方法
ISBNを取得するには、書籍を出版する出版社が、日本図書コード管理センターなどのISBN管理機関に申請する必要があります。個人で書籍を出版する場合でも、ISBNを取得することは可能であり、その場合は個人出版者として登録し、ISBNを申請することになります。
ISBNの申請には、書籍のタイトル、著者名、出版社名、出版予定日などの情報が必要になります。ISBN管理機関は、申請された情報に基づいてISBNを発行し、出版社に通知します。ISBNを取得した出版社は、書籍にISBNを印刷し、書籍の流通を開始することができます。ISBNの取得には費用がかかる場合があり、費用はISBN管理機関や出版形態によって異なります。
取得方法 | 申請先 | 必要な情報 |
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出版社経由 | 日本図書コード管理センター | 書名/著者名/出版社名 |
個人出版 | 日本図書コード管理センター | 書名/著者名/出版予定日 |
費用 | ISBN管理機関 | 出版形態により異なる |