
OpenID Connectとは
OpenID Connectは、OAuth 2.0を基盤とした認証プロトコルです。既存のOAuthの認可機能に加えて、ユーザー認証機能を提供し、シングルサインオン(SSO)環境を容易に実現できます。これにより、ユーザーは複数のウェブサイトやアプリケーションで同じIDとパスワードを使用でき、利便性が向上します。
OpenID Connectは、ユーザーのID情報を安全に共有するための標準化された方法を提供します。OAuth 2.0の拡張として設計されており、APIアクセスの認可に加えて、ユーザー認証を可能にします。このプロトコルを使用することで、ウェブサイトやアプリケーションはユーザーの認証を外部のIDプロバイダーに委任できます。
OpenID Connectは、セキュリティと利便性を両立させるために設計されています。ユーザーは信頼できるIDプロバイダーを通じて認証されるため、ウェブサイトやアプリケーションはパスワードを管理する必要がありません。また、標準化されたプロトコルであるため、異なるシステム間での相互運用性が確保されます。
OpenID Connectの仕組み
「OpenID Connectの仕組み」に関して、以下を解説していきます。
- OpenID Connectの主要な役割
- OpenID Connectの認証フロー
OpenID Connectの主要な役割
OpenID Connectでは、主に3つの役割が存在し、それぞれが連携して認証プロセスを円滑に進めます。ユーザー(エンドユーザー)は、サービスを利用する主体であり、リライングパーティ(RP)は、ユーザー認証を必要とするウェブサイトやアプリケーションです。IDプロバイダー(OP)は、ユーザーのID情報を管理し、認証サービスを提供する役割を担います。
これらの役割分担によって、RPはユーザーの認証情報を直接管理する必要がなくなり、セキュリティリスクを軽減できます。OPは、ユーザーの認証を一元的に管理することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、シングルサインオン環境を実現します。ユーザーは、信頼できるOPを通じて認証されるため、安心してサービスを利用できます。
役割 | 説明 | 主な機能 |
---|---|---|
ユーザー | サービス利用者 | RPへのアクセス |
リライングパーティ(RP) | 認証を必要とするサービス | OPへの認証委託 |
IDプロバイダー(OP) | ID情報管理 | 認証情報の提供 |
OpenID Connectの認証フロー
OpenID Connectの認証フローは、ユーザーがRPにアクセスし、OPにリダイレクトされることから始まります。OPはユーザーを認証し、認証情報(IDトークン)をRPに返します。RPはIDトークンを検証し、ユーザーを認証します。このフローを通じて、RPはユーザーの認証情報を安全に取得できます。
認証フローには、認可コードフロー、インプリシットフロー、ハイブリッドフローなど、いくつかの種類があります。認可コードフローは、最も安全なフローとされており、機密性の高いアプリケーションに適しています。インプリシットフローは、シングルページアプリケーションなど、クライアントサイドでの処理が中心となるアプリケーションに適しています。ハイブリッドフローは、認可コードフローとインプリシットフローの利点を組み合わせたものです。
フロー | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
認可コードフロー | 安全性が高い | 機密性の高いアプリ |
インプリシットフロー | クライアントサイド中心 | SPA(シングルページアプリ) |
ハイブリッドフロー | 認可コードとインプリシットの利点 | 柔軟な認証 |