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SAML(Security Assertion Markup Language)とは
SAML(Security Assertion Markup Language)は、異なるセキュリティドメイン間でユーザー認証情報を安全に交換するためのXMLベースの標準規格です。ウェブブラウザを使用したシングルサインオン(SSO)環境を構築する上で、SAMLは非常に重要な役割を果たします。
SAMLを使用することで、ユーザーは一度認証を受けるだけで、複数の異なるウェブアプリケーションやサービスにアクセスできるようになります。これは、ユーザーエクスペリエンスの向上だけでなく、管理者の負担軽減にもつながるため、多くの企業や組織で採用されています。
SAMLは、認証と認可のプロセスを分離し、セキュリティリスクを低減する効果も期待できます。サービスプロバイダは、ユーザー認証をIDプロバイダに委ねることで、自社のシステムに認証機能を実装する必要がなくなり、開発コストや運用コストを削減できます。
SAMLの仕組みと構成要素
「SAMLの仕組みと構成要素」に関して、以下を解説していきます。
- SAMLにおける認証連携の流れ
- SAMLを構成する主要な要素
SAMLにおける認証連携の流れ
SAML認証連携の流れは、ユーザーがサービスプロバイダ(SP)にアクセスしようとするところから始まります。SPはユーザーが認証されているかどうかを確認し、認証されていなければ、IDプロバイダ(IdP)に認証をリクエストします。
IdPはユーザーに認証を求め、認証が成功すると、SAMLアサーションと呼ばれる認証情報をSPに送信します。SPはSAMLアサーションを検証し、ユーザーにサービスへのアクセスを許可するという流れです。
ステップ | 内容 | 関係者 |
---|---|---|
1 | SPへのアクセス | ユーザー |
2 | 認証リクエスト | SP |
3 | IdPへリダイレクト | SP→IdP |
4 | ユーザー認証 | IdP |
5 | SAMLアサーション送信 | IdP→SP |
6 | アクセス許可 | SP |
SAMLを構成する主要な要素
SAMLを構成する主要な要素には、IDプロバイダ(IdP)、サービスプロバイダ(SP)、そしてSAMLアサーションがあります。IdPはユーザーの認証を行い、SPはサービスへのアクセスを制御し、SAMLアサーションは認証情報を伝達する役割を担います。
SAMLアサーションには、ユーザーの識別情報、認証日時、認証方法などの情報が含まれており、SPはこれらの情報を基にユーザーのアクセス権限を判断します。これらの要素が連携することで、セキュアなシングルサインオン環境が実現します。
要素 | 役割 | 内容 |
---|---|---|
IdP | 認証 | ユーザー認証を実施 |
SP | サービス提供 | サービスへのアクセス制御 |
SAMLアサーション | 認証情報の伝達 | ユーザー情報や認証情報を含む |
プロトコル | 通信ルール | IdPとSP間の通信ルール |