
ローカルIPアドレスとは
ローカルIPアドレスとは、家庭内や企業内などの限られたネットワーク内で使用されるIPアドレスのことです。インターネットに直接接続するためのグローバルIPアドレスとは異なり、ローカルネットワーク内でのみ有効なアドレス範囲が割り当てられています。ローカルIPアドレスは、ネットワークに接続された機器同士が互いを識別し、通信を行うために不可欠な要素です。
ローカルIPアドレスの主な役割は、プライベートネットワーク内での通信を円滑にすることです。ルーターなどのネットワーク機器が、グローバルIPアドレスを共有し、複数のデバイスが同時にインターネットに接続できるように、ローカルIPアドレスを各デバイスに割り当てます。これにより、セキュリティを保ちながら、効率的なネットワーク運用が可能になります。
ローカルIPアドレスの範囲は、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって、RFC 1918で定義されています。一般的に使用される範囲は、192.168.0.0/16、172.16.0.0/12、10.0.0.0/8などです。これらの範囲内のIPアドレスは、インターネット上では一意ではなく、自由に利用できます。
ローカルIPアドレスの設定と確認
「ローカルIPアドレスの設定と確認」に関して、以下を解説していきます。
- ローカルIPアドレスの確認方法
- ローカルIPアドレスの設定
ローカルIPアドレスの確認方法
ローカルIPアドレスを確認する方法は、OSの種類によって異なりますが、一般的にはコマンドプロンプトやターミナルを使用します。Windowsでは「ipconfig」、macOSやLinuxでは「ifconfig」または「ip addr」コマンドを実行することで、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどのネットワーク情報を確認できます。これらのコマンドは、ネットワーク設定のトラブルシューティングにも役立ちます。
GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使用する方法もあります。Windowsでは「設定」アプリから「ネットワークとインターネット」を選択し、接続しているネットワークアダプターの詳細を確認することで、ローカルIPアドレスを確認できます。macOSでは「システム環境設定」から「ネットワーク」を選択し、接続しているネットワークインターフェースを選択することで確認可能です。
OS | 確認方法 | コマンド |
---|---|---|
Windows | コマンドプロンプト | ipconfig |
macOS | ターミナル | ifconfig |
Linux | ターミナル | ip addr |
GUI | ネットワーク設定 | 各OSの設定画面 |
ローカルIPアドレスの設定
ローカルIPアドレスの設定には、自動(DHCP)と手動(固定IPアドレス)の2つの方法があります。DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、ルーターなどのDHCPサーバーが自動的にIPアドレスを割り当てる方式で、家庭用ネットワークなどで一般的に使用されます。手動設定は、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどを手動で設定する方法で、特定のデバイスに固定のIPアドレスを割り当てたい場合に利用されます。
手動でローカルIPアドレスを設定する際には、ネットワーク内で重複しないIPアドレスを選択する必要があります。IPアドレスの重複は、ネットワークの競合を引き起こし、通信障害の原因となるため注意が必要です。また、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイの設定も正しく行う必要があります。これらの設定を誤ると、インターネットに接続できなくなる可能性があります。
設定方法 | 特徴 | メリット |
---|---|---|
DHCP | 自動割り当て | 設定が容易 |
手動設定 | 固定IPアドレス | アドレス固定 |
注意点 | 重複回避 | 競合を防ぐ |
設定項目 | IPアドレスなど | 正確な設定 |