デプロイとは？意味をわかりやすく簡単に解説

デプロイとは

デプロイとは、開発したソフトウェアやシステムを、実際に利用できる環境に配置・展開するプロセスのことです。Webアプリケーションやモバイルアプリ、サーバーサイドのプログラムなど、様々な種類のソフトウェアがデプロイの対象となります。デプロイを適切に行うことによって、開発した機能や修正をユーザーが利用できるようになり、システムの価値を最大限に引き出すことが可能です。

デプロイのプロセスは、単にファイルをコピーするだけでなく、設定ファイルの調整、データベースの更新、サーバーの再起動など、多くの作業を含む場合があります。これらの作業を自動化することで、人的ミスを減らし、迅速かつ効率的なデプロイを実現できます。また、デプロイの際には、システムの可用性を維持するために、ダウンタイムを最小限に抑える工夫も重要です。

デプロイの方式は、システムの規模や要件によって様々であり、適切な方式を選択することが重要です。例えば、小規模なWebサイトであれば、手動でファイルをアップロードするだけでも十分な場合があります。しかし、大規模なシステムや、頻繁に更新が必要なシステムでは、自動化されたデプロイパイプラインを構築することが不可欠です。継続的インテグレーション（CI）や継続的デリバリー（CD）といったプラクティスを導入することで、より効率的で信頼性の高いデプロイを実現できます。

デプロイ戦略の種類

「デプロイ戦略の種類」に関して、以下を解説していきます。

• ブルーグリーンデプロイメント
• ローリングデプロイメント

ブルーグリーンデプロイメント

ブルーグリーンデプロイメントは、本番環境とは別に、新しいバージョンのシステムを稼働させるための環境（グリーン環境）を用意するデプロイ戦略です。新しいバージョンが十分にテストされ、安定していることが確認された後、トラフィックをブルー環境からグリーン環境に切り替えます。これによって、ダウンタイムを最小限に抑え、問題が発生した場合でも迅速にロールバックできます。

ブルーグリーンデプロイメントは、リスクを低減できる反面、追加のインフラストラクチャが必要になるため、コストが増加する可能性があります。また、データベースの移行やデータの整合性を維持するための対策も必要です。しかし、クリティカルなシステムや、ダウンタイムが許容されないシステムにとっては、非常に有効な戦略と言えるでしょう。

ローリングデプロイメント

ローリングデプロイメントは、システムを段階的に更新していくデプロイ戦略です。サーバー群をいくつかのグループに分け、各グループを順番に新しいバージョンに更新していきます。この方法では、システム全体を停止させることなく、徐々に新しいバージョンをリリースできます。問題が発生した場合でも、影響範囲を限定的に抑えることが可能です。

ローリングデプロイメントは、ブルーグリーンデプロイメントに比べてインフラコストを抑えることができますが、デプロイに時間がかかるというデメリットがあります。また、新旧バージョンが混在する期間が発生するため、互換性の問題に注意する必要があります。セッション管理やAPIのバージョン管理などを適切に行うことが重要です。