
トランジスタとは
トランジスタは、半導体を用いた電子部品であり、電気信号を増幅したり、スイッチングしたりする機能を持っています。現代のエレクトロニクス製品に不可欠な存在であり、コンピュータ、スマートフォン、家電製品など、あらゆる電子機器に搭載されています。
トランジスタは、1947年にベル研究所で発明され、真空管に代わる小型で省電力な素子として急速に普及しました。トランジスタの発明は、電子工学の分野に革命をもたらし、集積回路(IC)の開発を可能にし、今日の情報化社会の発展に大きく貢献しています。
トランジスタの基本原理は、入力信号によって出力信号を制御することです。これにより、微弱な信号を増幅したり、電気回路のオン/オフを切り替えたりすることができます。トランジスタには、バイポーラトランジスタ(BJT)と電界効果トランジスタ(FET)の2種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
トランジスタの種類と応用
「トランジスタの種類と応用」に関して、以下を解説していきます。
- バイポーラトランジスタ(BJT)の特徴
- 電界効果トランジスタ(FET)の特徴
バイポーラトランジスタ(BJT)の特徴
バイポーラトランジスタ(BJT)は、電流によって電流を制御するトランジスタであり、ベース、コレクタ、エミッタの3つの端子を持っています。BJTは、電流増幅率が高く、高速動作が可能であるという特徴があります。そのため、高周波回路や電力増幅回路などに広く利用されています。
BJTは、NPN型とPNP型の2種類があり、それぞれ動作原理が異なります。NPN型は、ベース電流を流すことでコレクタ電流が増加し、PNP型は、ベース電流を流すことでコレクタ電流が減少します。BJTの選択は、回路の設計や用途に応じて適切に行う必要があります。
項目 | 特徴 |
---|---|
動作原理 | 電流制御 |
端子数 | 3端子(ベース、コレクタ、エミッタ) |
増幅率 | 高い |
応用例 | 高周波回路、電力増幅回路 |
電界効果トランジスタ(FET)の特徴
電界効果トランジスタ(FET)は、電圧によって電流を制御するトランジスタであり、ゲート、ドレイン、ソースの3つの端子を持っています。FETは、入力インピーダンスが高く、消費電力が低いという特徴があります。そのため、集積回路(IC)や低消費電力デバイスなどに広く利用されています。
FETには、JFET(接合型FET)とMOSFET(金属酸化膜半導体FET)の2種類があり、それぞれ構造や動作原理が異なります。MOSFETは、ゲート絶縁膜に酸化膜を使用しており、JFETよりも高い入力インピーダンスを持っています。FETの選択も、回路の設計や用途に応じて適切に行う必要があります。
項目 | 特徴 |
---|---|
動作原理 | 電圧制御 |
端子数 | 3端子(ゲート、ドレイン、ソース) |
入力インピーダンス | 高い |
消費電力 | 低い |
応用例 | 集積回路、低消費電力デバイス |