
Actor-Criticとは
Actor-Criticは、強化学習における手法の一つです。Actorは方策を決定し、Criticはその方策を評価するという役割分担を行います。この組み合わせによって、より効率的な学習が可能になります。
Actorは、ある状態においてどのような行動を取るべきかを決定する役割を担います。これは、例えばゲームであれば、キャラクターをどのように動かすか、どのボタンを押すかといった判断にあたります。Actorは、Criticからの評価を基に、より良い行動を選択できるように学習していきます。
Criticは、Actorが選択した行動の良し悪しを評価する役割を担います。具体的には、ある状態においてActorが取った行動によって、どれだけの報酬が得られたかを評価します。この評価をActorに伝えることで、Actorは自身の行動を改善していくことができます。
Actor-Criticの構成要素
「Actor-Criticの構成要素」に関して、以下を解説していきます。
- Actorの役割と学習
- Criticの役割と学習
Actorの役割と学習
Actorは、環境の状態に基づいて最適な行動を選択する役割を担います。具体的には、ある状態が与えられた際に、どのような行動を取るべきかを確率的に決定する方策を学習します。この方策は、通常、ニューラルネットワークなどの関数近似器で表現されます。
Actorの学習は、Criticからの評価を基に行われます。Criticから高い評価を受けた行動は、その選択確率が高まるように方策が更新されます。逆に、低い評価を受けた行動は、選択確率が低くなるように調整されます。このプロセスを通じて、Actorはより良い行動を選択できるようになります。
要素 | 説明 | 学習方法 |
---|---|---|
方策 | 行動選択の基準 | 勾配法など |
状態 | 環境の情報 | 観測データ |
行動 | Actorの出力 | 方策に基づく |
報酬 | Criticの評価 | 環境からの信号 |
Criticの役割と学習
Criticは、Actorが選択した行動の価値を評価する役割を担います。具体的には、ある状態においてActorが取った行動によって、将来どれだけの報酬が得られるかを予測します。この価値は、通常、価値関数またはQ関数として表現され、ニューラルネットワークなどの関数近似器で学習されます。
Criticの学習は、実際に得られた報酬と予測した価値との差(TD誤差)を小さくするように行われます。TD誤差が大きい場合、Criticは自身の価値予測を修正し、より正確な評価ができるように学習します。このプロセスを通じて、CriticはActorの行動を適切に評価できるようになります。
要素 | 説明 | 学習方法 |
---|---|---|
価値関数 | 状態の価値 | TD学習など |
Q関数 | 状態行動の価値 | Q学習など |
TD誤差 | 予測と実績の差 | 学習信号 |
報酬 | 環境からの信号 | 価値更新 |