トランスポート層とは?意味をわかりやすく簡単に解説

トランスポート層とは?意味をわかりやすく簡単に解説

トランスポート層とは

トランスポート層は、OSI参照モデルにおける第4層に位置し、エンドツーエンドの通信を担う重要な役割を果たします。具体的には、アプリケーション間のデータ転送を信頼性高く、効率的に行うための機能を提供し、TCPやUDPといったプロトコルがこの層で動作します。

この層の主な役割は、データをセグメントに分割し、必要に応じて順序を制御し、エラー検出や再送制御を行うことです。これにより、異なるネットワークを経由しても、アプリケーションは正確なデータをやり取りできます。

トランスポート層は、アプリケーションに対して、ネットワークの詳細を隠蔽し、信頼性の高いデータ転送サービスを提供します。そのため、アプリケーション開発者は、ネットワークの複雑さを意識せずに、データ送受信の処理に集中できます。

トランスポート層の機能

「トランスポート層の機能」に関して、以下を解説していきます。

  • コネクション型とコネクションレス型
  • ポート番号と多重化

コネクション型とコネクションレス型

コネクション型通信は、TCPプロトコルによって実現され、通信前に接続を確立し、データの送受信順序を保証し、信頼性の高い通信を提供します。一方、コネクションレス型通信は、UDPプロトコルによって実現され、接続確立の手順を省略し、高速なデータ転送を可能にするため、リアルタイム性の高いアプリケーションに適しています。

TCPは、信頼性を重視するWebブラウジングやファイル転送などに利用され、UDPは、高速性を重視するオンラインゲームやストリーミングなどに利用されます。どちらのプロトコルを選択するかは、アプリケーションの要件によって異なり、適切な選択が重要です。

TCPUDP
通信の種類コネクション型コネクションレス型
信頼性高い(保証あり)低い(保証なし)
速度遅い速い
用途Web閲覧など動画配信など

ポート番号と多重化

ポート番号は、コンピュータ内の特定のアプリケーションを識別するための番号であり、0から65535までの範囲で定義されています。多重化とは、1つのIPアドレスで複数のアプリケーションが同時に通信できるようにする技術であり、ポート番号によって実現されます。

ポート番号を使用することによって、受信したデータを適切なアプリケーションに届けることが可能になり、効率的な通信を実現します。例えば、Webサーバーは通常80番ポートを使用し、メールサーバーは25番ポートを使用するなど、よく知られたポート番号が割り当てられています。

概要役割
ポート番号アプリ識別データの振り分け
多重化複数通信効率的な通信
TCPポート0~65535アプリを特定
UDPポート0~65535通信を識別