
IEモードとは
IEモードとは、Microsoft Edgeに搭載された機能であり、Internet Explorer(IE)でしか正常に動作しないWebサイトやWebアプリケーションをEdge上で利用するための互換モードです。IEモードを使用することによって、従来のIE環境を維持しながら、最新ブラウザのセキュリティ機能やパフォーマンスの恩恵を受けることが可能になります。企業内システムなど、特定のIE環境に依存したシステムを抱える組織にとって、IEモードは移行期間における重要な選択肢となります。
IEモードは、Edgeの設定から簡単に有効化でき、特定のWebサイトをIEモードで開くように設定できます。EdgeはChromiumをベースとしているため、最新のWeb標準に準拠していますが、IEモードを利用することで、古い技術で構築されたWebサイトとの互換性を確保できます。これにより、Webサイトのリニューアルやシステム改修にかかるコストや時間を削減し、スムーズな移行を実現することが期待できます。
IEモードは、2029年までサポートが予定されており、それまでの間は安心して利用できます。ただし、IEモードはあくまで一時的な互換手段であり、将来的にはWebサイトやシステムのモダン化が推奨されます。IEモードの利用は、セキュリティリスクを完全に排除するものではないため、定期的なセキュリティアップデートや脆弱性対策は不可欠です。
IEモードの設定と注意点
「IEモードの設定と注意点」に関して、以下を解説していきます。
- IEモードの有効化手順
- IEモード利用時の注意点
IEモードの有効化手順
IEモードを有効にするには、まずMicrosoft Edgeの設定画面を開き、「既定のブラウザー」の項目から「Internet Explorer モードでサイトの再読み込みを許可」を「許可」に変更します。次に、Edgeを再起動し、IEモードで表示したいWebサイトを開き、右クリックメニューから「Internet Explorer モードで再読み込み」を選択することで、そのサイトがIEモードで表示されるようになります。この手順によって、EdgeでIEが必要なサイトをスムーズに利用できます。
IEモードで常に特定のサイトを開くように設定することも可能です。Edgeの設定画面から「Internet Explorer モード ページ」を開き、「追加」ボタンをクリックして、IEモードで開きたいWebサイトのURLを入力します。この設定を行うことで、対象のWebサイトにアクセスするたびに自動的にIEモードが適用されるため、ユーザーは手動で切り替える手間を省けます。
設定項目 | 設定内容 | 備考 |
---|---|---|
IEモード許可 | 許可に変更 | Edgeの再起動が必要 |
サイト再読み込み | 右クリックから選択 | 一時的なIEモード |
URL設定 | 設定画面から追加 | 自動でIEモード適用 |
エンタープライズモード | サイトリストを使用 | 大規模環境向け |
IEモード利用時の注意点
IEモードは便利な機能ですが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。まず、IEモードはInternet Explorerのエンジンを使用するため、IE自体のセキュリティ脆弱性の影響を受ける可能性があります。そのため、Windows Updateなどを通じて、常に最新のセキュリティパッチを適用することが重要です。セキュリティ対策を怠ると、マルウェア感染などのリスクが高まる可能性があります。
また、IEモードはあくまで互換モードであり、最新のWeb標準に完全には対応していません。そのため、IEモードで表示したWebサイトが、完全に期待どおりに動作しない場合があります。特に、最新のWeb技術を活用したWebサイトでは、表示崩れや機能制限が発生する可能性があります。したがって、IEモードは一時的な対応策として捉え、Webサイトのモダン化を検討することが望ましいです。
注意点 | 詳細 | 対策 |
---|---|---|
セキュリティリスク | IEの脆弱性の影響を受ける | 最新パッチを適用する |
互換性の問題 | 最新Web標準に非対応 | Webサイトのモダン化を検討 |
パフォーマンス低下 | Edge本来の速度が出ない | 不要な場合はIEモードを解除 |
サポート期限 | 2029年まで | 移行計画を立てる |