HDLC(High-Level Data Link Control)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

HDLC(High-Level Data Link Control)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

HDLC(High-Level Data Link Control)とは

HDLCとはデータ伝送制御の手順のことであり、ネットワーク通信において信頼性の高いデータ伝送を実現するためのプロトコルです。HDLCは国際標準化機構によって規格化されており、様々な通信プロトコルやネットワークアーキテクチャの基盤として利用されています。

HDLCはデータリンク層で使用されるプロトコルであり、物理層を介して送受信されるデータをフレームと呼ばれる単位に分割し、エラー検出や再送制御などの機能を提供します。HDLCは同期式伝送方式を採用しており、送信側と受信側が正確なタイミングでデータの送受信を行うことによって、効率的かつ信頼性の高い通信を実現します。

HDLCは様々なバリエーションが存在し、用途やネットワーク環境に応じて最適なプロトコルを選択することが可能です。例えばLAPBやLAPDなどのプロトコルはHDLCをベースにしており、X.25やISDNなどのネットワークで使用されています。HDLCを理解することはネットワーク技術者にとって不可欠であり、ネットワークの設計や運用において重要な役割を果たします。

HDLCの主要な機能

「HDLCの主要な機能」に関して、以下を解説していきます。

  • HDLCのフレーム構造
  • HDLCにおけるエラー制御

HDLCのフレーム構造

HDLCのフレーム構造はフラグ、アドレス、制御、情報、フレームチェックシーケンス、フラグの各フィールドで構成されており、これらのフィールドが連携してデータの正確な伝送を保証します。フラグフィールドはフレームの開始と終了を示す役割を持ち、アドレスフィールドは送信先または送信元の局を識別するために使用されます。

制御フィールドはフレームの種類やシーケンス番号などの制御情報を格納し、情報フィールドは実際に伝送されるユーザーデータを格納します。フレームチェックシーケンスフィールドはエラー検出のための情報を格納し、受信側でエラーの有無を確認するために使用されます。これらのフィールドが適切に構成されることによって、HDLCは信頼性の高いデータ伝送を実現します。

フィールド内容詳細サイズ
フラグフレームの開始と終了を示す8ビット
アドレス送信先または送信元の局を識別8または16ビット
制御フレームの種類やシーケンス番号を格納8または16ビット
情報実際に伝送されるユーザーデータを格納可変長
FCSエラー検出のための情報を格納16または32ビット

HDLCにおけるエラー制御

HDLCにおけるエラー制御はフレームチェックシーケンス(FCS)を用いたエラー検出と、自動再送要求(ARQ)によるエラー訂正を組み合わせることによって、データ伝送の信頼性を高めます。FCSは送信側でフレーム全体から計算されたチェックサムを受信側に付加し、受信側で同様の計算を行い、その結果を比較することによってエラーの有無を検出します。

ARQはエラーが検出された場合に、受信側が送信側に対して再送を要求する仕組みであり、これによりエラーが発生したフレームを再度送信し、正確なデータ伝送を実現します。HDLCでは様々なARQ方式が利用可能であり、用途やネットワーク環境に応じて最適な方式を選択することによって、効率的なエラー制御を実現します。

エラー制御方式詳細特徴説明
FCSフレームチェックシーケンスによる検出高いエラー検出能力を発揮
ARQ自動再送要求によるエラー訂正確実なデータ伝送を実現
Go-Back-Nエラー発生後N個のフレームを再送実装が比較的容易である
選択的再送エラーが発生したフレームのみ再送効率的な再送を実現できる

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