IRQ(Interrupt Request)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

IRQ(Interrupt Request)とは

IRQ(Interrupt Request)とは、コンピュータのハードウェアがCPUに対して処理を要求するための信号のことです。CPUは通常、プログラムの命令を順番に実行していますが、IRQが発生すると、現在の処理を中断して、IRQに対応する処理（割り込み処理）を優先的に行います。この仕組みによって、CPUはキーボード入力やマウス操作、ネットワークからのデータ受信など、様々なイベントにリアルタイムで対応できます。

IRQは、ハードウェアとソフトウェアの連携において非常に重要な役割を果たします。例えば、プリンターが印刷を完了した際にIRQを発生させることで、CPUは印刷完了の通知を受け取り、次の処理に進むことができます。このように、IRQはシステムの効率的な動作を支える基盤技術と言えるでしょう。

IRQを理解することは、コンピュータの動作原理やシステムプログラミングを学ぶ上で不可欠です。IRQの設定や管理は、オペレーティングシステム（OS）やデバイスドライバによって行われますが、その基本的な概念を知っておくことで、より深くシステムを理解し、トラブルシューティングにも役立てることができます。

IRQの仕組みと種類

「IRQの仕組みと種類」に関して、以下を解説していきます。

• IRQの優先度と競合
• IRQの種類（ハードウェア/ソフトウェア）

IRQの優先度と競合

IRQには優先度が設定されており、複数のIRQが同時に発生した場合、優先度の高いIRQが優先的に処理されます。優先度の低いIRQは、優先度の高いIRQの処理が完了するまで待機します。この優先度制御によって、システムは重要なイベントに迅速に対応できます。

IRQの競合は、複数のデバイスが同じIRQラインを使用しようとした場合に発生します。IRQ競合が発生すると、システムが不安定になったり、デバイスが正常に動作しなくなったりする可能性があります。そのため、IRQの設定は慎重に行う必要があり、競合を避けるための仕組みがOSやハードウェアに組み込まれています。

IRQの種類（ハードウェア/ソフトウェア）

IRQは、ハードウェアIRQとソフトウェアIRQの2種類に大きく分類できます。ハードウェアIRQは、キーボードやマウス、ネットワークカードなどの物理的なデバイスから発生するIRQです。これらのデバイスは、CPUに直接信号を送ることで割り込みを要求します。

ソフトウェアIRQは、プログラムがOSに対してシステムコールを行うことによって発生するIRQです。例えば、ファイルを開いたり、ネットワークに接続したりする際に、プログラムはソフトウェアIRQを発生させてOSに処理を依頼します。ソフトウェアIRQは、ハードウェアIRQと同様に、CPUの処理を中断させてOSの処理を実行させる役割を果たします。