
RDIMM(Registered Dual Inline Memory Module)とは
RDIMMはRegistered Dual Inline Memory Moduleの略称であり、サーバーやワークステーションで使用される高性能なメモリ規格です。RDIMMは標準的なDIMMと比較して、より高い安定性と信頼性を提供するために、レジスタと呼ばれるバッファチップを搭載している点が特徴です。このレジスタは、メモリコントローラからの信号を一時的に保持し、増幅することで、メモリシステム全体の信号品質を向上させます。
RDIMMの主な目的は、メモリコントローラにかかる電気的な負荷を軽減し、より多くのメモリを搭載できるようにすることです。レジスタを使用することで、メモリコントローラは各メモリチップに直接アクセスする必要がなくなり、より多くのメモリチップを制御できるようになります。その結果、システム全体のメモリ容量を大幅に拡張することが可能になり、大規模なデータ処理や仮想化環境において重要な役割を果たします。
RDIMMはECC(Error Correcting Code)機能をサポートしていることが一般的であり、メモリ内で発生したエラーを検出して修正することができます。ECC機能は、データの整合性を維持し、システム全体の信頼性を高めるために不可欠です。特に、金融機関や医療機関など、データの正確性が極めて重要な分野では、ECC機能付きのRDIMMが広く採用されています。
RDIMMの種類と機能
「RDIMMの種類と機能」に関して、以下を解説していきます。
- RDIMMの種類(世代と規格)
- RDIMMの主な機能(ECCとデータ転送)
RDIMMの種類(世代と規格)
RDIMMにはDDR2、DDR3、DDR4、DDR5といった異なる世代が存在し、それぞれデータ転送速度や消費電力、容量などが異なります。DDR(Double Data Rate)は、メモリのデータ転送速度を示す規格であり、数字が大きいほど新しい世代で、より高速なデータ転送が可能です。新しい世代のRDIMMは、従来の世代と比較して、より高い性能と効率性を提供します。
RDIMMの規格は、メモリの物理的な形状やピン数、電気的な特性などを規定しており、マザーボードとの互換性を確保するために重要です。異なる世代のRDIMMは、ピンの配置や電圧が異なるため、互換性はありません。そのため、RDIMMを選択する際には、マザーボードがサポートする規格を確認する必要があります。
世代 | 規格 | データ転送速度 | 電圧 |
---|---|---|---|
DDR2 | PC2-XXXX | 400-800MHz | 1.8V |
DDR3 | PC3-XXXX | 800-2133MHz | 1.5V |
DDR4 | PC4-XXXX | 2133-3200MHz | 1.2V |
DDR5 | PC5-XXXX | 4800MHz以上 | 1.1V |
RDIMMの主な機能(ECCとデータ転送)
RDIMMの主要な機能の一つにECC(Error Correcting Code)があり、メモリ内で発生する可能性のあるビットエラーを自動的に検出して修正します。ECC機能は、データの整合性を維持し、システム全体の信頼性を向上させるために不可欠です。特に、24時間365日稼働するサーバーシステムにおいては、ECC機能の重要性は非常に高いと言えます。
RDIMMは高速なデータ転送を実現するために、高度な技術を採用しており、メモリコントローラとの間で効率的なデータ交換を行います。データ転送速度は、メモリの性能を測る上で重要な指標であり、RDIMMの世代や規格によって異なります。高速なデータ転送は、アプリケーションの応答速度やシステム全体のパフォーマンスに大きく影響します。
機能 | 説明 | 重要性 |
---|---|---|
ECC | PC2-XXXX | 400-800MHz |
データ転送 | 1.8V | PC3-XXXX |
レジスタ | 800-2133MHz | 1.5V |
大容量 | PC4-XXXX | 2133-3200MHz |