
URN(Uniform Resource Name)とは
URN(Uniform Resource Name)は、インターネット上のリソースを識別するための名前空間の一つです。URI(Uniform Resource Identifier)の一種であり、特に永続的な識別を目的として設計されています。URNは、リソースの場所やアクセス方法に依存せず、リソースそのものを一意に識別することが可能です。
URNは、RFC 2141で定義されており、特定の名前空間識別子(NID)と名前空間固有文字列(NSS)で構成されます。NIDは、URNの構造と解釈を定義する組織またはコミュニティを識別し、NSSは、NID内でリソースを一意に識別する文字列です。この構造により、URNはグローバルに一意であり、時間経過や場所の変更に影響を受けにくいという特徴を持ちます。
URNの主な目的は、デジタルライブラリやアーカイブなど、長期的なリソース管理が必要な分野での利用です。例えば、書籍、論文、その他のドキュメントを永続的に識別するために使用されます。URNを使用することで、リソースが移動したり、アクセス方法が変更されたりした場合でも、一意な識別子を通じてリソースを追跡し、アクセスすることが可能になります。
URNの構造と利用
「URNの構造と利用」に関して、以下を解説していきます。
- URNの基本的な構造
- URNの利用例(具体的なケース)
URNの基本的な構造
URNは、名前空間識別子(NID)と名前空間固有文字列(NSS)という2つの主要な部分から構成されます。NIDは、URNの管理主体や構造を定義するものであり、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって登録された文字列を使用します。NSSは、NIDの管理下でリソースを一意に識別する文字列であり、NIDの定義に従って自由に構成できます。
URNの一般的な形式は、「urn::」です。例えば、「urn:isbn:0451450523」は、ISBNというNIDの下で特定の書籍を識別するURNです。NIDとNSSの組み合わせによって、グローバルに一意な識別子を生成し、リソースの永続的な識別を可能にします。
要素 | 説明 | 例 |
---|---|---|
urn: | URNスキームを示す接頭辞 | 固定値 |
NID | 名前空間識別子 | isbn |
NSS | 名前空間固有文字列 | 0451450523 |
全体 | URN全体の例 | urn:isbn:0451450523 |
URNの利用例(具体的なケース)
URNは、デジタルライブラリ、学術出版、政府機関など、様々な分野で利用されています。例えば、国立国会図書館では、デジタル化された資料にURNを付与することで、資料の所在が変わっても一意に識別できるようにしています。また、学術論文にDOI(Digital Object Identifier)をURNとして付与することで、論文の永続的な引用を可能にしています。
URNは、リソースのメタデータとしても活用できます。リソースに関する情報(作成者、タイトル、発行日など)をURNに関連付けることで、リソースの検索や管理を効率化できます。さらに、URNは、リソースのバージョン管理にも利用でき、異なるバージョンのリソースを区別し、追跡することが可能です。
利用分野 | 具体的な利用例 | URNの利点 |
---|---|---|
デジタルライブラリ | URNスキームを示す接頭辞 | 固定値 |
学術出版 | 名前空間識別子 | isbn |
政府機関 | 名前空間固有文字列 | 0451450523 |
メタデータ管理 | URN全体の例 | urn:isbn:0451450523 |