
目次
記事の要約
- QPS研究所が小型SAR衛星QPS-SAR10号機「ワダツミ-Ⅰ」を打ち上げる
- Rocket Lab社のElectronロケットを使用し、5月17日打ち上げ予定
- 中傾斜軌道、高度575kmに投入予定
QPS研究所小型SAR衛星QPS-SAR10号機「ワダツミ-Ⅰ」打ち上げ
株式会社QPS研究所は2025年5月6日、小型SAR衛星QPS-SAR10号機「ワダツミ-Ⅰ」の打ち上げを発表した。これは、2025年2月28日に発表されたQPS研究所とRocket Lab社との衛星8機分の打ち上げ契約の第2回目となる。
打ち上げは、Rocket Lab社のElectronロケットを使用し、ニュージーランド・マヒア半島Rocket Lab Launch Complex 1から行われる予定だ。打ち上げウィンドウは2025年5月17日(土)17時15分(日本時間)以降だが、天候などの影響により順延する可能性がある。
「ワダツミ-Ⅰ」は中傾斜軌道、高度575kmに投入される予定で、QPS研究所は2028年5月末までに24機、最終的には36機の衛星コンステレーションで平均10分毎という準リアルタイム観測データ提供サービスを目指している。
今回の打ち上げミッションは、Rocket Lab社の今年6回目、通算64回目の打ち上げとなる。
QPS-SAR10号機「ワダツミ-Ⅰ」打ち上げ詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
衛星名 | QPS-SAR10号機「ワダツミ-Ⅰ」 |
打ち上げロケット | Rocket Lab社 Electron |
打ち上げ予定日 | 2025年5月17日(土)17時15分(日本時間)以降 |
打ち上げ場所 | ニュージーランド・マヒア半島 Rocket Lab Launch Complex 1 |
投入予定軌道 | 中傾斜軌道、高度575km |
ミッション名 | The Sea God Sees |
小型SAR衛星について
QPS研究所は、収納性が高く、軽量でありながら大型の展開式アンテナ(特許取得)を開発した。そのアンテナによって強い電波を出すことが可能になり、従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストとなる高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功したのだ。
- 高精細な画像取得が可能
- 軽量でコスト効率が良い
- 雲や噴煙を透過して観測可能
QPS-SARは民間SAR衛星で世界トップレベルの46cm分解能の画像取得が可能である。
QPS-SAR10号機「ワダツミ-Ⅰ」打ち上げに関する考察
今回の「ワダツミ-Ⅰ」の打ち上げ成功は、QPS研究所の小型SAR衛星技術の高さを示すものとなるだろう。高精細な観測データの提供により、防災、インフラ管理、農業など様々な分野への貢献が期待できる。しかし、打ち上げの延期や、衛星の故障といったリスクも考慮する必要がある。
想定される問題への対策としては、予備機の用意や、地上局との通信システムの冗長化などが挙げられる。また、データのリアルタイム性向上や、観測範囲の拡大なども今後の課題となるだろう。これらの課題をクリアすることで、より高精度なデータ提供が可能となり、社会への貢献度も高まるだろう。
今後、QPS研究所には、コンステレーション構築に向けた更なる技術開発と、安定的な運用体制の構築が求められる。そして、得られたデータの利活用を促進するためのプラットフォーム開発なども期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「QPS研究所小型SAR衛星QPS-SAR10号機「ワダツミ-Ⅰ」米国Rocket Lab社 Electronロケットにて5月17日(土)に打上げ予定 | 株式会社QPS研究所のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000049970.html, (参照 2025-05-08).