目次
記事の要約
- Commvault Command Center Innovation Release 11.38に認証なしでリモートコード実行を許容する脆弱性CVE-2025-34028が発見された
- 攻撃者は不正なJSPファイルをアップロードすることで、リモートコード実行が可能になる
- この脆弱性はパス・トラバーサル脆弱性を利用している
Commvault Command Center Innovation Release 11.38の脆弱性情報
Commvault社は2025年4月22日に、Command Center Innovation Release 11.38における認証なしでリモートコード実行を許容する脆弱性CVE-2025-34028を公開した。この脆弱性により、攻撃者は認証を必要とせずに悪意のあるZIPファイルをアップロードできるのだ。
アップロードされたZIPファイルは、ターゲットサーバーによって展開される際にパス・トラバーサル脆弱性を悪用される可能性がある。その結果、攻撃者はリモートコードを実行し、システムを制御できるようになるのだ。
この脆弱性は、CWE-22(不適切なパス名の制限)とCWE-306(重要な機能に対する認証の欠如)に分類され、CVSSスコアは10.0(CRITICAL)と評価されている。Commvault社は既に修正プログラムをリリースしており、ユーザーは速やかにアップデートを行う必要がある。
この脆弱性は、WatchTowr Labsによって発見され、公開されたエクスプロイトコードも存在する。そのため、迅速な対応が求められる。
脆弱性に関する詳細情報
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-34028 |
影響を受ける製品 | Commvault Command Center Innovation Release 11.38 |
脆弱性の種類 | パス・トラバーサル、認証なしリモートコード実行 |
CVSSスコア | 10.0 (CRITICAL) |
公開日 | 2025年4月22日 |
更新日 | 2025年5月7日 |
CWE | CWE-22, CWE-306 |
発見者 | WatchTowr Labs |
パス・トラバーサル脆弱性について
パス・トラバーサル脆弱性とは、アプリケーションがファイルシステムへのパスを適切に検証・制限していないために、攻撃者が意図しないファイルやディレクトリにアクセスできるようになる脆弱性のことだ。この脆弱性は、攻撃者がシステムファイルにアクセスしたり、悪意のあるコードを実行したりするのに利用される可能性がある。
- ファイルシステムへの不正アクセス
- 機密情報の漏洩
- リモートコード実行
パス・トラバーサル脆弱性を防ぐためには、アプリケーションがファイルシステムへのパスを適切に検証し、制限することが重要だ。入力値のバリデーションや、許可されたディレクトリへのアクセスのみを許可するなどの対策が必要となる。
CVE-2025-34028に関する考察
Commvault Command Center Innovation Release 11.38におけるCVE-2025-34028は、深刻なセキュリティリスクをもたらす脆弱性である。迅速なパッチ適用が不可欠であり、企業は自社のシステムへの影響を評価し、対策を講じる必要がある。この脆弱性の発見は、ソフトウェア開発におけるセキュリティ対策の重要性を改めて示している。
今後、同様の脆弱性が他のソフトウェア製品でも発見される可能性がある。そのため、開発者はセキュリティを考慮した設計・開発を行うとともに、定期的なセキュリティ監査を実施する必要があるだろう。また、ユーザーはソフトウェアのアップデートを常に最新の状態に保つことが重要だ。
この脆弱性の発見は、セキュリティ対策の重要性を再認識させる契機となるだろう。企業は、セキュリティ対策への投資を継続し、最新の脅威に対応できる体制を構築する必要がある。セキュリティ意識の高まりと、開発者・ユーザー双方による継続的な努力が、安全なIT環境の構築に繋がるのだ。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-34028」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-34028, (参照 2025-05-08).