
目次
記事の要約
- ダッソー・システムズとエアバスの戦略的パートナーシップ拡大を発表
- エアバスは全航空機開発に3DEXPERIENCEプラットフォーム導入
- バーチャルツイン活用による効率化、開発期間短縮を目指す
ダッソー・システムズとエアバスのパートナーシップ強化
ダッソー・システムズ株式会社は2025年5月7日、エアバスとの長期的な戦略的パートナーシップ強化を発表した。このパートナーシップでは、エアバスが民間および軍用航空機、ヘリコプターのすべての新規プログラムにおいて、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームをライフサイクル管理の中核に据えることを決定したのだ。
この導入により、エアバスのサプライヤーを含む2万人以上のユーザーが、オンプレミスまたはソブリンクラウド上でバーチャルツインを活用できるようになる。これにより、より効果的なコラボレーション、開発サイクルの短縮、生産効率の向上、アフターセールス・サポートの強化、そしてコスト削減が可能になるという。
ダッソー・システムズはエアバスに、「Program Excellence」、「Winning Concept」、「Co-design to Target」、「Cleared to Operate」、「Ready for Rate」、「Build to Operate」、「Keep Them Operating」の7つの業界向けソリューションを提供する予定だ。デジタル化による業務効率化と次世代航空宇宙製品開発への貢献が期待される。
エアバスのCEOであるギヨーム・フォーリー氏は、デジタル化が同社の優先事項達成に不可欠であると述べている。ダッソー・システムズとのパートナーシップ拡大によって、設計から運用に至るまで最高水準の品質、安全性、セキュリティを確保できると期待しているのだ。
ダッソー・システムズとエアバスの協業概要
項目 | 詳細 |
---|---|
発表日 | 2025年5月7日 |
提携企業 | ダッソー・システムズ、エアバス |
対象 | エアバスの民間および軍用航空機、ヘリコプターの全新規プログラム |
プラットフォーム | 3DEXPERIENCEプラットフォーム |
ユーザー数 | 2万人以上 |
目的 | 開発効率向上、開発サイクル短縮、コスト削減 |
提供ソリューション | Program Excellence、Winning Concept、Co-design to Target、Cleared to Operate、Ready for Rate、Build to Operate、Keep Them Operating |
バーチャルツインについて
バーチャルツインとは、現実世界の製品やシステムのデジタル複製である。物理的な制約やコストを気にせず、様々なシミュレーションや分析を行うことが可能だ。
- 設計段階での検証
- 製造プロセスの最適化
- 運用状況の予測
航空機開発においては、バーチャルツインを用いることで、設計変更による影響を事前に評価したり、製造工程の効率化を図ったりすることができる。これにより、開発期間の短縮やコスト削減に大きく貢献するのだ。
エアバスとダッソー・システムズ協業に関する考察
今回の協業は、航空機開発におけるデジタル化の進展を加速させるだろう。バーチャルツイン技術の活用により、開発期間の短縮やコスト削減、製品品質の向上に大きく貢献する可能性がある。しかし、大規模なシステム導入に伴うリスク管理や、データセキュリティの確保が課題となる可能性もある。
起こりうる問題としては、システムの複雑さによる運用上の課題や、データの整合性維持の難しさなどが挙げられる。解決策としては、段階的な導入や、専門家によるサポート体制の構築が有効だろう。また、データセキュリティ対策として、アクセス制御や暗号化技術の導入も必要となる。
今後、AIを活用した設計支援機能の強化や、より高度なシミュレーション技術の導入が期待される。これにより、より革新的な航空機開発が可能になり、持続可能な航空宇宙産業の発展に貢献するだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「エアバスとの戦略的パートナーシップを拡大バーチャルツインを活用する次世代プログラムに | ダッソー・システムズ株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000525.000006067.html, (参照 2025-05-08).