博報堂DYと大阪メトロ、AI活用でOOH広告のアテンション測定を実施、新たな広告価値指標を提示

博報堂DYと大阪メトロ、AI活用でOOH広告のアテンション測定を実施、新たな広告価値指標を提示
PR TIMES より

記事の要約

  • AIによるアテンション測定の実証実験結果を公開
  • 地下鉄車内の広告の注目度を数値化
  • アテンション率とアテンションタイムを指標に測定

博報堂DYアウトドアと大阪メトロアドエラによるOOH広告アテンション測定の実証実験

株式会社博報堂DYアウトドアと株式会社大阪メトロアドエラは、2025年5月9日、AIを活用した地下鉄車内広告のアテンション測定に関する実証実験の結果を公開した。この実験では、視線学習と画像認識学習を融合したサリエンシーモデルを用いて、デジタルサイネージとアナログ広告の視覚的注目度を30秒単位で解析したのだ。

測定された指標は、広告がどれだけ人の注意を引きつけたかを表すアテンション率と、広告に注目していた時間を示すアテンションタイムの2つである。従来のインプレッション数や視認率では測れなかった「どれだけ注目されたか」を数値で示すことができた点が、この実験の大きな成果と言えるだろう。

本実験は、OOH広告の価値を科学的に証明しようとする先進的な取り組みであり、アテンション測定の標準化が進む中、国際的な注目を集める可能性も秘めている。今後、AIによるアテンション予測サービスの展開も視野に入れているとのことだ。

アテンション測定の実証実験概要

項目詳細
実施主体株式会社博報堂DYアウトドア、株式会社大阪メトロアドエラ
対象地下鉄車内のデジタルサイネージおよびアナログ広告
測定期間明記なし
手法サリエンシーモデル(視線学習と画像認識学習を融合)
測定指標アテンション率、アテンションタイム
解析単位30秒
成果アテンション率、アテンションタイムによる数値化、媒体ごとの注目特性やクリエイティブ要素による効果の違いの解明
大阪メトロアドエラブログ

サリエンシーモデルについて

サリエンシーモデルは、色彩や明暗、形状など、人が本能的に注目する要素を数理的に再現するAIモデルである。実際のアイ・トラッキング調査との高い相関性が確認されており、コストを抑えてアテンションの予測が可能だ。

  • 視覚的注目度の予測
  • ロケーションやクリエイティブ要素の影響の可視化
  • コスト効率の高いアテンション測定

このモデルを用いることで、OOH広告におけるアテンションの傾向を詳細に分析し、より効果的な広告クリエイティブの制作や媒体選定に役立てることが期待できる。

OOH広告アテンション測定に関する考察

今回の実証実験は、OOH広告の評価指標にアテンションという新たな要素を加えることで、広告効果の測定をより精緻なものにすることに成功したと言えるだろう。従来のインプレッション数や視認率だけでは捉えきれなかった「見られた質」を数値化できた点は大きな進歩だ。しかし、アテンション測定の精度向上や、様々な環境下での測定データの蓄積が今後の課題となるだろう。

例えば、異なる時間帯や曜日、季節など、様々な環境要因がアテンションに与える影響を詳細に分析し、より正確な予測モデルを構築する必要がある。また、AIモデルの学習データの質や量も、測定精度に大きく影響するため、継続的なデータ収集とモデルの改善が不可欠だ。さらに、アテンション測定結果を広告戦略に効果的に活用するためのノウハウの蓄積も重要となるだろう。

将来的には、このアテンション測定技術を基に、広告主が事前にアテンションを予測し、クリエイティブを最適化できるようなサービスの開発が期待される。これにより、OOH広告の企画・制作から効果測定までの一連のプロセスが効率化され、より効果的な広告展開が可能になるだろう。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「「そのOOH広告、本当に見られてる?」 〜地下鉄広告の“注目度”をAIで可視化、“注目されるOOH”を共に創る時代へ | 株式会社大阪メトロ アドエラのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000077456.html, (参照 2025-05-09).

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