目次
記事の要約
- HubSpotがAIエージェント「Breeze顧客対応エージェント」をアップデート
- Marketing Hub、Sales Hubなど全製品で利用可能に
- 2025年6月2日より提供開始予定
HubSpotがBreeze顧客対応エージェントをアップデート
HubSpotは2025年5月9日、AIエージェント「Breeze顧客対応エージェント」の新機能と提供範囲拡大を発表した。従来はService Hub ProまたはEnterpriseエディションの契約ユーザーのみが利用可能だったが、今回のアップデートにより、HubSpotクレジットを通じてMarketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Content Hub、Operations HubのProfessionalおよびEnterpriseエディションで利用可能になるのだ。
アップデートされたBreeze顧客対応エージェントは、問い合わせの分類・回答・チケット化を自動化し、マーケティング、営業、カスタマーサービスの各タッチポイントで一貫した顧客体験を提供する。担当者は高付加価値業務に集中できるようになるだろう。
Breeze顧客対応エージェントは、メール、チャット、WhatsApp、Facebook Messengerなど、さまざまなチャネルに対応している。顧客データベース、ナレッジベース、過去の対話ログを組み合わせ、注文状況や更新日といった顧客固有の情報をCRM上で呼び出し、活用することが可能だ。
さらに、パスワードの再設定などの簡単な問い合わせへの対応を行い、必要に応じて担当者へ引き継ぎを行う機能も備えている。自社のナレッジベース、ウェブサイトコンテンツ、PDF、ブログなど、あらゆる情報源から自動学習するインテリジェンスも内蔵されている。
Breeze顧客対応エージェントの機能と提供範囲
項目 | 詳細 |
---|---|
提供開始日 | 2025年6月2日 |
対象製品 | Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Content Hub、Operations Hub (ProfessionalおよびEnterpriseエディション) |
課金方式 | HubSpotクレジット(従量課金) |
対応チャネル | Eメール、チャット、WhatsApp、Facebook Messengerなど |
主な機能 | 問い合わせの分類・回答・チケット化の自動化、顧客情報の活用、簡単な問い合わせへの自動対応、担当者への引き継ぎ |
学習機能 | ナレッジベース、ウェブサイトコンテンツ、PDF、ブログなどからの自動学習 |
HubSpotクレジットについて
HubSpotクレジットは、Breeze Intelligenceで採用している従量課金モデルをBreeze顧客対応エージェントにも適用させたものだ。ユーザーは1つのクレジット残高で各AI製品を使用することが可能である。
- シート(ライセンス)+従量課金
- Pay-as-you-grow方式
- 利用量に合わせた柔軟なコスト管理が可能
この課金体系は、HubSpotのAI製品の標準モデルとなる予定だ。
Breeze顧客対応エージェントに関する考察
Breeze顧客対応エージェントのアップデートは、顧客対応の自動化を促進し、企業の生産性向上に大きく貢献するだろう。全製品への対応拡大により、マーケティング、営業、カスタマーサービスの各部門で活用できるようになる点は大きなメリットだ。しかし、導入にあたっては、HubSpotクレジットの利用状況を把握し、コスト管理を適切に行う必要があるだろう。
今後起こりうる問題としては、AIによる誤った回答や、顧客対応のパーソナライゼーション不足などが考えられる。これらへの対策として、AIの学習データの質向上や、人間のオペレーターによる監視体制の強化が重要となるだろう。また、より高度な自然言語処理能力や、多言語対応の強化なども必要となる可能性がある。
今後追加してほしい機能としては、より複雑な問い合わせへの対応能力の向上や、顧客の感情分析機能などが挙げられる。顧客満足度向上のためには、AIによる効率化と、人間によるきめ細やかな対応の両立が不可欠だ。HubSpotには、AIと人間のハイブリッドチームによる顧客対応の進化を期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「HubSpotが『Breeze顧客対応エージェント』を大幅アップデート | HubSpot Japan株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000037724.html, (参照 2025-05-09).