
目次
記事の要約
- Mouser ElectronicsがNXP SemiconductorsのRW612ワイヤレス・マイクロコントローラを取り扱い開始
- Matter対応でスマートホーム、産業オートメーションなどに最適
- Wi-Fi 6、Bluetooth LE 5.4、Thread、Zigbeeに対応
Mouser ElectronicsがNXPのワイヤレスマイクロコントローラ販売開始
Mouser Electronicsは2025年5月9日、NXP SemiconductorsのRW612ワイヤレス・マイクロコントローラの取り扱いを開始した。この製品は、スマートホーム、ゲーム、産業オートメーション、スマートアクセサリなどの分野に適した、高度な統合性と高いセキュリティ性能を備えているのだ。
RW612はMatterに対応し、複数のIoTデバイスやプロトコルとの幅広い互換性と接続性を提供する。Wi-Fi 6およびBluetooth Low Energy 5.4の無線機能を搭載し、長距離・高速のデータ通信をサポートしている。さらに、ThreadメッシュネットワークプロトコルおよびZigbeeプロトコルにも対応している点が特徴だ。
Mouserは、RW612マイコンファミリー向けの開発ボードFRDM-RW612も提供する。この開発ボードは、MCUのI/O、周辺機器、統合シリアルインターフェース、外部フラッシュメモリへの簡単なアクセスを実現し、オンボードMCU-Linkデバッガーも備えているのだ。
また、IEEE 802.15.4に非対応のモデルであるRW610の取り扱いも開始した。
製品仕様と開発環境
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | NXP Semiconductors RW612ワイヤレス・マイクロコントローラ |
対応規格 | Matter、Wi-Fi 6、Bluetooth LE 5.4、Thread、Zigbee、IEEE 802.15.4(RW612のみ) |
コア | 260MHz動作のArm Cortex-M33コア(TrustZone-M対応) |
メモリ | 1.2MBオンチップSRAM |
セキュリティ | EdgeLock Secure Enclave、PSA Certified Level 3、SESIP Assurance Level 3準拠 |
電源 | 3.3V単一電源 |
開発ボード | FRDM-RW612 |
開発環境 | MCUXpresso Developer Experience |
ワイヤレス・マイクロコントローラの概要
ワイヤレス・マイクロコントローラは、無線通信機能とマイクロコントローラの機能を統合したデバイスである。IoTデバイスの心臓部として、センサーデータの収集、アクチュエータ制御、無線通信などを担う。
- 低消費電力
- 小型サイズ
- 高度なセキュリティ機能
これらの特徴により、バッテリー駆動の小型デバイスや、セキュリティが重要なアプリケーションに最適だ。
RW612ワイヤレス・マイクロコントローラに関する考察
RW612は、Matterプロトコルへの対応により、様々なIoTデバイスとの相互運用性を高めている点が大きなメリットだ。これにより、開発者は異なるプラットフォームやプロトコルを意識することなく、IoTシステムを構築できるようになる。しかし、Matterプロトコルの普及状況によっては、市場浸透に時間がかかる可能性もあるだろう。
セキュリティ面では、EdgeLock Secure EnclaveやPSA Certified Level 3、SESIP Assurance Level 3準拠など、高いセキュリティレベルが確保されている。しかし、高度なサイバー攻撃に対しては、常に最新のセキュリティ対策を講じる必要があるだろう。定期的なファームウェアアップデートやセキュリティパッチの適用が不可欠だ。
今後、より高度なAI処理能力や、より低消費電力化、さらに多様な無線通信規格への対応などが期待される。また、開発環境の改善や、より豊富な周辺機器との互換性も重要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「マウザー、NXP SemiconductorsのRW612 ワイヤレス・マイクロコントローラの取り扱いを開始 | Mouser Electronics, Inc.のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000136133.html, (参照 2025-05-09).