
目次
記事の要約
- PFAS分解の新技術セミナー開催
- 半導体ナノ結晶を用いた可視光分解技術
- PFOSやナフィオンのフッ化物イオンへの分解に成功
JPIセミナー開催のお知らせ
日本計画研究所(JPI)は、2025年5月8日、PFAS汚染解決に向けた新技術に関するセミナーの開催を発表した。このセミナーでは、立命館大学教授の小林洋一氏が講師を務め、半導体ナノ結晶を用いたPFAS分解技術について詳説する予定だ。
セミナーは2025年5月29日(木) 13:30から15:30まで開催され、会場受講、ライブ配信、アーカイブ配信のいずれかを選択できる。参加費は1名37,640円(税込)だが、地方公共団体所属者は2名まで11,000円(税込)で参加可能だ。
セミナーでは、特に分解が困難なペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とナフィオンをフッ化物イオンに分解する技術が紹介される予定である。この技術は、半導体ナノ結晶に可視LED光を照射することで実現するもので、高い光触媒活性を示すことが確認されている。
セミナー詳細
項目 | 詳細 |
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セミナー名 | PFAS汚染解決に向けた新技術「フッ素化合物分解」その開発動向と実用化に向けた取り組みについて |
開催日時 | 2025年05月29日(木) 13:30 – 15:30 |
講師 | 立命館大学生命科学部教授 小林洋一氏 |
受講方法 | 会場受講・ライブ配信・アーカイブ配信 |
受講料 | 1名:37,640円(税込)、2名以降:32,640円(税込)、地方公共団体:2名まで11,000円(税込) |
お申込み | 詳細・お申込みはこちら |
PFAS分解技術について
本セミナーで紹介されるPFAS分解技術は、半導体ナノ結晶を用いた可視光分解技術である。
- 可視光LEDを用いるため、特別な光源は不要だ
- PFOSを8時間照射で完全脱フッ素化
- ナフィオンも24時間照射で81%脱フッ素化
この技術は、水和電子と高励起状態を介したオージェ誘起電子注入、光誘起配位子交換の複合メカニズムによって進行する。
PFAS分解技術に関する考察
このPFAS分解技術は、環境問題解決に大きく貢献する可能性を秘めている。特に、従来法では分解が困難であったPFOSやナフィオンを効率的に分解できる点は画期的だ。しかし、実用化に向けては、コストやスケーラビリティといった課題を克服する必要があるだろう。
コスト面では、半導体ナノ結晶の製造コストや、大規模な処理システム構築にかかる費用などが課題となる可能性がある。解決策としては、ナノ結晶の製造プロセス最適化や、低コスト材料の開発などが考えられる。スケーラビリティについては、大規模なPFAS汚染現場への適用を想定したシステム設計が必要となるだろう。
今後、この技術のさらなる発展と実用化によって、PFAS汚染問題の解決に大きく貢献することが期待される。より効率的な分解方法の開発や、様々な種類のPFASへの適用範囲拡大なども期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【JPIセミナー】「PFAS汚染解決に向けた新技術”フッ素化合物分解” その開発動向と実用化に向けた取り組みについて」5月29日(木)開催 | 株式会社日本計画研究所のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001345.000042328.html, (参照 2025-05-09).