日立システムズ、生成AI需要に対応したコンテナ型データセンター3機種を販売開始

記事の要約

  • 日立システムズがコンテナ型データセンター3機種を販売開始
  • 生成AIやエッジコンピューティング需要に対応
  • 短納期・低コストで導入可能

日立システムズ、コンテナ型データセンター3機種を販売開始

株式会社日立システムズは、2025年5月8日、生成AI活用のニーズの高まりに対応するため、コンテナ型データセンターのラインアップをリニューアルし、3種の標準モデルの提供を開始した。これにより、顧客はニーズや用途に合わせたデータセンター環境を短納期かつ安価に導入できるようになったのだ。

コンテナ型データセンターは、コンテナの中にサーバーラックや冷却設備、電源設備などをワンパッケージで提供する。一般的なデータセンターと比べて短期間に低コストで構築でき、増設や移設も容易である点が特徴だ。今回のリニューアルでは、生成AI利用向けの「高負荷サーバーモデル」、専用環境向けの「サーバールームモデル」、キャリア基地局向けの「エッジコンピューティングモデル」の3種の標準モデルが提供開始された。

日立システムズは、ITサービス企業としてのIT機器に関する知見と、サーバー室、オフィスなどの建築関連設備の工事対応実績を活かし、IT機器の性能・スペックを最大限に発揮できる環境づくりを設計から工事までトータルで対応する。GPUサーバーなど、多くの熱を発する機器に対しても効率的な冷却環境を実現し、機器の安定稼働に貢献するのだ。

コンテナ型データセンター3機種の仕様比較

モデル名用途コンテナサイズラック数IT負荷価格(億円)
高負荷サーバーモデル生成AI利用など40ft 2連棟20ラック800kW10程度
サーバールームモデル研究機関、病院など36ft 2連棟8ラック100kW2.5程度
エッジコンピューティングモデルキャリア基地局など20ft4ラック25kW1程度
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コンテナ型データセンターの特徴

本製品は、IT機器、電源、空調設備などデータセンターに必要な設備を1つのコンテナに凝縮したデータセンターである。日立システムズは、ITサービス企業としての知見と建築関連設備工事の実績を活かし、IT機器の性能を最大限に発揮できる環境を提供する。

  • 短納期・低コストでの構築が可能
  • 増設・移設が容易
  • 秘匿性の高いデータ管理にも対応

さらに、自律走行と遠隔操作のハイブリッド型業務DXロボット「ugo」を標準搭載し、無人でのデータセンター運用を可能にすることで人手不足問題の解決にも貢献するのだ。

コンテナ型データセンター事業に関する考察

今回の3機種の標準モデル提供開始は、生成AIやエッジコンピューティングといった新たな技術ニーズへの迅速な対応を可能にする点で大きなメリットがある。短納期・低コストでの導入は、企業のDX推進を加速させるだろう。しかし、コンテナ型データセンターの普及には、設置場所の制約や、大規模データセンターに比べて処理能力の限界といった課題も存在する可能性がある。

これらの課題への対策として、様々なサイズや構成の提供、保守体制の強化、さらには日立製作所との連携による大規模データセンターとの連携強化などが考えられる。将来的には、より高度な冷却技術や省エネルギー化技術の導入、AIを活用した運用管理システムの開発なども期待されるだろう。

日立システムズは、2027年度までに累計100億円の売上を目指しており、その実現には、顧客ニーズへの的確な対応と、継続的な技術革新が不可欠である。顧客サポートの充実や、One Hitachi戦略による日立グループ全体の連携強化も、事業拡大に大きく貢献するだろう。

参考サイト/関連サイト

  1. 株式会社日立システムズ.「コンテナ型データセンターのラインアップをリニューアルし、3種の標準モデルを提供開始:ニュースリリース:2025年:株式会社日立システムズ」.https://www.hitachi-systems.com/news/2025/20250508.html, (参照 2025-05-09).

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