
目次
記事の要約
- キリングループが生成AIツール「BuddyAI」を国内従業員約1万5000人に展開拡大
- マーケティング部門への先行導入で年間約3万9000時間の時間創出効果
- 各部門のニーズに応じた機能追加でさらなる業務効率化と価値創造を目指す
キリングループの生成AIツール「BuddyAI」展開拡大
キリンホールディングス株式会社は2025年5月より、生成AIツール「BuddyAI」を国内従業員約1万5000人に展開拡大した。これは「人がやらなくてよい仕事」をAIに代替させ、生産性向上と価値創造を目指す取り組みの一環である。
2024年11月にはマーケティング部門約400名に先行導入された「BuddyAI for Marketing」では、年間約3万9000時間の時間創出効果が見込まれている。これは当初想定を上回る成果だ。
今回の全社展開では、UI/UXの改善やプロンプトテンプレートの改良、Eラーニングの導入など、ユーザーフレンドリーな設計と充実した研修体制が整備された。これにより、ビジネス現場での日常的な活用が促進されるだろう。
今後、各部門(マーケティング・営業・研究開発など)の業務ニーズに応じた機能追加を行い、「BuddyAI for X」として部門別特化を進めていく予定だ。
「BuddyAI」展開概要
項目 | 詳細 |
---|---|
展開開始日 | 2025年5月 |
対象従業員数 | 約1万5000人 |
先行導入部門 | マーケティング部門 |
先行導入人数 | 約400名 |
先行導入効果 | 年間約3万9000時間の時短 |
今後の展開 | 部門別特化機能追加 |
生成AIツール「BuddyAI」について
「BuddyAI」は、従業員の「Buddy(相棒)」として日常的に使用されることを目指した生成AIツールである。定型業務の代替だけでなく、創造的な業務にも協働者として関わり、人の能力を引き出すことで生産性を向上させることを目的としている。
- 定型業務の自動化
- 創造的な業務への協働
- 生産性向上への貢献
将来的には、最小限の指示で業務を自律的に実行するAgentic AIの実現を目指している。
「BuddyAI」展開に関する考察
「BuddyAI」の全社展開は、キリングループの生産性向上と価値創造に向けた積極的な取り組みを示している。従業員の業務効率化と創造的な活動の促進に大きく貢献するだろう。しかし、AIツールの導入に伴い、従業員のスキルギャップやデータセキュリティ、プライバシー保護といった課題も発生する可能性がある。
これらの課題への対策として、継続的な教育研修の提供や、データセキュリティ対策の強化、プライバシーポリシーの明確化などが重要となる。また、AIツール利用に関するガイドラインを策定し、倫理的な利用を促進することも必要だろう。
今後、「BuddyAI」には、より高度な分析機能や、個々の従業員の業務特性に合わせたパーソナライズされた機能の追加が期待される。さらに、他の業務システムとの連携強化も重要であり、グループ全体のDX推進に貢献していくことが求められるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「キリングループの生成AIツール「BuddyAI」を国内従業員約1万5,000人に展開拡大、部門別特化に向けて次のフェーズに移行 | キリンホールディングス株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001214.000073077.html, (参照 2025-05-13).