
目次
記事の要約
- ネオジャパンが横浜市と救急活動における傷病者情報共有システムの実証事業を実施
- ノーコードアプリ開発ツール『AppSuite』を用いてシステムを構築
- 病院決定時間の短縮と医療機関内での情報共有効率化に効果
横浜市とネオジャパンによる傷病者情報共有システム実証事業
株式会社ネオジャパンは2025年5月12日、横浜市と共同で実施した救急活動における医療機関との傷病者情報共有システムの実証事業の結果を公開した。この実証事業は、横浜市が募集した「YOKOHAMA Hack!」の一環として行われたものである。
令和6年10月21日から12月27日までの期間、横浜市内の3つの医療機関と複数の救急隊が参加し、ノーコードアプリ開発ツール『AppSuite』を活用したシステムが運用された。紙の傷病者収容書をベースにした入力画面や、データの参照権限設定、個人情報の動的制御などの機能が実装されていたのだ。
実証事業では、システムによる情報共有によって病院決定時間の短縮や医療機関内での正確かつ効率的な情報共有に効果があったことが確認された。一方で、運用上の課題やシステム改善点も明らかになり、今後の本格運用に向けた貴重な知見が得られた。
実証事業概要とシステム詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
実施期間 | 令和6年10月21日~12月27日 |
参加医療機関 | 横浜市内の3つの医療機関 |
参加救急隊 | 金沢第1救急隊/金沢第2救急隊/富岡救急隊/釜利谷救急隊/幸浦救急隊 |
採用ソリューション | ノーコードアプリ開発ツール『AppSuite』 |
主な機能 | 紙ベースの収容書入力画面、印刷機能、権限設定、個人情報制御、トリアージ自動設定、日時記録機能、病院受入れ状況確認機能 |
成果 | 病院決定時間の短縮、医療機関内情報共有の効率化 |
AppSuiteについて
AppSuiteは、紙やFAX、メール、表計算ソフトなどで行われている非効率な業務処理・管理を、マウス操作で誰でも簡単にWebシステム化できるノーコード業務アプリ作成ツールだ。豊富なテンプレートをもとに、自社の業務に合わせてカスタマイズして利用することも可能である。
- ノーコードでWebシステム開発
- 業務アプリ作成の容易さ
- desknet’s NEOとの連携
「AppSuite」で作ったアプリはグループウェア「desknet’s NEO」の一機能として動作し、システム設計から構築・運用まで、現場主導での業務改善を実現する。
横浜市救急活動DX化実証事業に関する考察
今回の実証事業は、横浜市の救急医療におけるDX推進に大きく貢献する成果を上げたと言える。病院決定時間の短縮や情報共有の効率化は、患者にとって迅速な医療提供につながり、医療現場の負担軽減にも寄与するだろう。しかし、システムの完全な導入には、更なる運用上の課題解決やシステムの改良が必要となる可能性がある。
例えば、システムの使いやすさや、医療従事者への十分な教育、データセキュリティの強化などが課題として挙げられる。これらの課題に対しては、現場からのフィードバックを積極的に取り入れ、システムの改善を継続的に行う必要があるだろう。また、システムの安定性や信頼性を確保するための対策も重要だ。
今後、より多くの医療機関への展開や、システム機能の拡張が期待される。例えば、患者の状態をリアルタイムで把握できる機能や、救急隊と病院間のよりスムーズな情報伝達を支援する機能などが考えられる。これらの機能追加によって、救急医療の質の更なる向上に繋がることを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ネオジャパン、横浜市と傷病者情報共有システム実証事業プロジェクトを実施 | 株式会社ネオジャパンのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000189.000056870.html, (参照 2025-05-13).